(書評)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか3

著者:大森藤ノ

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 3 (GA文庫)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 3 (GA文庫)
(2013/05/16)
大森 藤ノ

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サポーターであるリリとのことも一段落ついたベル。そんな彼の前に現れたのは「憧れの人」であるアイズ。ベルの急成長について、興味を抱くアイズは、ベルへの特訓を申し出て……
「作者自身が読みたかったもの書きたかったものを出し切った」
あとがきの冒頭で、そんな言葉が綴られているのだけど、まさに物語、シリーズとしての第1章が完結した、という感じ。これまで、「憧れのあの人のようになりたい」という気持ちで走ってきた主人公。そんな彼が、一つの課題にぶつかり、そして、それをクリアする、というのが今回のエピソード。
「……君は、臆病だね」
アイズとの特訓の中、アイズに指摘されるベルの弱点。とんでもない勢いで成長し、とんでもない勢いで冒険者としての腕を挙げているベルだが、その心に引っかかるのは、最初の冒険で体験した恐怖。それが、アイズとの出会いでもあったのだけど、しかし、同時の彼のトラウマとしても引っかかっていること。勿論、臆病であることは、冒険者として決して悪いとは言えない。無謀な冒険で、命を失う、ということだってあるのだから。しかし、それによって先に進めなくなってしまうこともあるのも事実。まして、憧れのアイズは遥か先を行っている存在……
物語の大半は、アイズとの特訓に費やされ、やがて、ある陰謀により、その因縁の相手であるミノタウロスとの邂逅へ。その中で……
この辺りの展開の丁寧さは相変わらず。物語の大部分を占めるアイズとの特訓。それで急成長し、ミノタウロスを倒すことも十分にできるだけの実力を備えた、というのは読者としては十分に納得できるところ。そして、その急成長でも克服できない恐怖心、というのも、危機一髪のところで「あの人と比べれば……」となって克服してしまう。これもたっぷりと特訓に費やされるからこその説得力を兼ね備えていると思う。その背景にやっぱりアイズへの憧れがある、というのも含めて。
まぁ、その分、リリやヘスティアの存在感が薄れた気もするけど、そもそもの出発点がアイズへの憧れなわけだし、そういう意味でも物語が一段落、というところなのだろう。
それでも、その背後にあるフレイヤの陰謀とかは続くわけだし、4巻からの「第2章」(?)を楽しみにしたい。

No.3445

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