著者:西尾維新
何でも知っているおねーさん、臥煙伊豆湖。そんな彼女との約束で、暦は神原駿河を深夜の学習塾跡へと呼び出す。だが、そこに現れたのは謎の鎧武者。その正体は……
『終物語』の中巻。そして、時系列で言うと、『鬼物語』の直後にあたる。実際、『猫物語』とのリンクなどもある。
序盤で正体がわかるので、ネタバレで書くけど、暦の前に現れた鎧武者は400年前、忍が作り上げた眷属。怪異殺しの専門家であり、自らが怪異となってしまったことに絶望し、自殺を遂げたという眷属。しかし、吸血鬼は「不死身」。故に蘇った。400年のときを超えて……
物語のメインとなるのは、その鎧武者と暦、忍の関係性。「眠らせておくには惜しい才能」という伊豆湖の言う駿河の人間性なんていうものが、そこでは存分に描かれる。物語終盤、ある意味、傷を抉るし、ある意味、残酷性を兼ね備えた、しかし、まっすぐな言葉の数々。正論といえる言葉の中で、忍そのものが揺り動かされる様、というのは見所だと思う。駿河だけでなく、忍の人間性(?)も明らかになるわけだから。
ただ、それ以上に、今回のエピソードはここまでのシリーズの背景を掘り下げた、と言う部分が主になると思う。
蟹、蝸牛、猿、蛇、猫、吸血鬼……。その物語の背景として現れた北白蛇神社。なぜ、そこが舞台になったのか? それぞれ、バラバラに起こったように思われるそれぞれには、どのような因縁があったのか? 伊豆湖の言葉として、その辺りが説明されていく。そもそもの土地の力に加わった因縁。それぞれのエピソードの関連性が説明され、流石にシリーズ最終章。物語のまとめが近いのだな、というのが強く感じられる話だった。
……ぶっちゃけ、そういう説明のための巻ということで、やや冗長と感じたところが無いではない。でも、ここでしっかりと説明をしたからには、最終巻でしっかりとまとめてくれるのだろう、という期待をすることも出来る。最終巻に期待、かな?
No.3447

にほんブログ村
![]() | 終物語 中 (講談社BOX) (2014/01/29) 西尾 維新 商品詳細を見る |
何でも知っているおねーさん、臥煙伊豆湖。そんな彼女との約束で、暦は神原駿河を深夜の学習塾跡へと呼び出す。だが、そこに現れたのは謎の鎧武者。その正体は……
『終物語』の中巻。そして、時系列で言うと、『鬼物語』の直後にあたる。実際、『猫物語』とのリンクなどもある。
序盤で正体がわかるので、ネタバレで書くけど、暦の前に現れた鎧武者は400年前、忍が作り上げた眷属。怪異殺しの専門家であり、自らが怪異となってしまったことに絶望し、自殺を遂げたという眷属。しかし、吸血鬼は「不死身」。故に蘇った。400年のときを超えて……
物語のメインとなるのは、その鎧武者と暦、忍の関係性。「眠らせておくには惜しい才能」という伊豆湖の言う駿河の人間性なんていうものが、そこでは存分に描かれる。物語終盤、ある意味、傷を抉るし、ある意味、残酷性を兼ね備えた、しかし、まっすぐな言葉の数々。正論といえる言葉の中で、忍そのものが揺り動かされる様、というのは見所だと思う。駿河だけでなく、忍の人間性(?)も明らかになるわけだから。
ただ、それ以上に、今回のエピソードはここまでのシリーズの背景を掘り下げた、と言う部分が主になると思う。
蟹、蝸牛、猿、蛇、猫、吸血鬼……。その物語の背景として現れた北白蛇神社。なぜ、そこが舞台になったのか? それぞれ、バラバラに起こったように思われるそれぞれには、どのような因縁があったのか? 伊豆湖の言葉として、その辺りが説明されていく。そもそもの土地の力に加わった因縁。それぞれのエピソードの関連性が説明され、流石にシリーズ最終章。物語のまとめが近いのだな、というのが強く感じられる話だった。
……ぶっちゃけ、そういう説明のための巻ということで、やや冗長と感じたところが無いではない。でも、ここでしっかりと説明をしたからには、最終巻でしっかりとまとめてくれるのだろう、という期待をすることも出来る。最終巻に期待、かな?
No.3447

にほんブログ村
スポンサーサイト