著者:岬鷺宮
時は大正、帝都・東京。突如、現れた「人形座座長」なる者による犯行声明と共に現れた「活き人形」による、東京の人々は恐慌をきたした。そんな中、その活き人形を倒す存在として現れたの一人の少女。しかし、彼女もまた、その凄惨な戦いぶりから「墜落乙女」と呼ばれ恐怖の対象となっていた。そんな「墜落乙女」を追う新聞記者・賜ヒ野乱歩は、そんな墜落乙女の単独取材に成功し……
雰囲気は悪くない。ただ、それ以上っていうのを感じられなかった、かな?
とりあえず、良いところをいうと、キャラクターが良い。特に、自らを「悪人」と称し、露悪的に振舞う少女サヱカ。挑発的な態度、振る舞いの中に見える何と言えない色気とか、そういうのが凄く良い感じ。さらに、何だかんだ、と次々と戦いをしていくダークファンタジーとしての雰囲気。そういうのが組み合わさって、いかにも「エログロナンセンス」的な雰囲気が完成している、というのは凄く評価したい。私は普段、あまりイラストは気にしていないのだけど、この作品については、イラストもそれを作るのに上手く寄与していると思う。
その一方で、設定とかそういうのはもっと突き詰めても良かったんじゃないかと思う。
基本的に、次々と現れる「活き人形」と戦いながら、墜落乙女が戦う理由は何なのか? 人形座座長は一体誰なのか? そういうところが物語の焦点となる。ところが、良くも悪くも、雰囲気部分に尺が割かれるためか、かなりそれらがあっさりと終わってしまったように感じるのだ。ぶっちゃけ、魔法とか、そういうところはサヱカが勝手に喋っちゃった、って感じだったし、その割りに、サヱカが戦う理由とかはイマイチ甘い。座長についても、終盤、いきなり……と言う感じ。矛盾とかがあるわけじゃないのだけどね。
先にも書いたように、雰囲気は大好き。それだけに、却って、「ここがこうならもっと良いのに」という思いを強くした。雰囲気に負けないだけ、じっくりと描いて欲しかった。
No.3453

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時は大正、帝都・東京。突如、現れた「人形座座長」なる者による犯行声明と共に現れた「活き人形」による、東京の人々は恐慌をきたした。そんな中、その活き人形を倒す存在として現れたの一人の少女。しかし、彼女もまた、その凄惨な戦いぶりから「墜落乙女」と呼ばれ恐怖の対象となっていた。そんな「墜落乙女」を追う新聞記者・賜ヒ野乱歩は、そんな墜落乙女の単独取材に成功し……
雰囲気は悪くない。ただ、それ以上っていうのを感じられなかった、かな?
とりあえず、良いところをいうと、キャラクターが良い。特に、自らを「悪人」と称し、露悪的に振舞う少女サヱカ。挑発的な態度、振る舞いの中に見える何と言えない色気とか、そういうのが凄く良い感じ。さらに、何だかんだ、と次々と戦いをしていくダークファンタジーとしての雰囲気。そういうのが組み合わさって、いかにも「エログロナンセンス」的な雰囲気が完成している、というのは凄く評価したい。私は普段、あまりイラストは気にしていないのだけど、この作品については、イラストもそれを作るのに上手く寄与していると思う。
その一方で、設定とかそういうのはもっと突き詰めても良かったんじゃないかと思う。
基本的に、次々と現れる「活き人形」と戦いながら、墜落乙女が戦う理由は何なのか? 人形座座長は一体誰なのか? そういうところが物語の焦点となる。ところが、良くも悪くも、雰囲気部分に尺が割かれるためか、かなりそれらがあっさりと終わってしまったように感じるのだ。ぶっちゃけ、魔法とか、そういうところはサヱカが勝手に喋っちゃった、って感じだったし、その割りに、サヱカが戦う理由とかはイマイチ甘い。座長についても、終盤、いきなり……と言う感じ。矛盾とかがあるわけじゃないのだけどね。
先にも書いたように、雰囲気は大好き。それだけに、却って、「ここがこうならもっと良いのに」という思いを強くした。雰囲気に負けないだけ、じっくりと描いて欲しかった。
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