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(書評)紳堂助教授の帝都怪異考 三 狐猫篇

著者:エドワード・スミス

紳堂助教授の帝都怪異考 三 狐猫篇 (メディアワークス文庫)紳堂助教授の帝都怪異考 三 狐猫篇 (メディアワークス文庫)
(2014/02/25)
エドワード・スミス

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女性から熱い視線を注がれる帝国大助教授・紳堂麗児。時代の先端を行く粋人である彼は、それと同時に、世間の裏に潜む「魔道」にも通じている。そんな彼の活躍を描く連作短編集、第3弾。全4編を収録。
これまでは、どちらかというと、各エピソードがバラバラの短編集という感じだったのだけど、今巻はそれぞれのつながりを重視した、ということだろうか。
雰囲気として好きなのは、2編目。
王子稲荷にて出会った男性との再会を求めてそこへと通う女性。そして、息子のことで紳堂のところへと依頼に来た男性。
物語は、タイトルからして、どういう話なのかバレバレというのはちょっといただけないところがあるんだけど、ツボをしっかりと抑えた物語の運び方は結構好き。というか、2巻の3編目もそうなのだけど、私個人の好き嫌いとして、異世界へと迷い込む、とか、そういう話と言うのが好きなんだ、というのを自覚した。
逆に3編目は、どちらかというとバトル展開の話なのだけど……正直、イマイチな感じ。2巻の鵺の話もそうなのだが、バトルそのmのが単調と言うか何と言うか……。展開のさせ方自体も、電撃文庫そものだし、一応、別レーベルでやる必要があるのかな? と感じてしまった。
そして、4編目。先に書いたように、それまでのエピソードとも繋がる1編。
美人ではあるがどこか影を感じさせる女性・聖乃。そして、紳堂のように魔道にも通じている。そんな彼女が、狐憑きの女性をどうにかして欲しい、と頼まれて……
狐憑き自体は1編目と繋がり、さらに、3編目の事件の裏にも彼女の存在が登場。そして、紳堂とは異なり、より非常な手段も厭わない……というか、ある種の悪意の権化のような聖乃の存在。そんな存在が出てくることで、紳堂の存在を際立たせるっていう効果は十分になっていたように思う。物語としても、それまでの短編エピソードがしっかりと結ばれたし。
ぶっちゃけ、今回も展開がわかりやすい、っていうのはあるのだけど、それぞれのエピソードの結び付け方とか、そういうのがしっかりとしていて、過去2巻よりも楽しめたような気がする。

No.3456

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