著者:小路幸也
青が出演した映画の脚本家・岸田安見が東京バンドワゴンへとやってきた。バンドワゴンでは、ちょうど、過去の作家のフェアの最中。そして、そのフェア、そして、ちょうど、本を売りにきた少女を見た岸田安見は、なぜか涙を流し……(『秋 真っ赤な紅葉はなに見て燃える』)
など、東京バンドワゴンでの1年を追ったシリーズ第8作(番外編を含めれば9作)
ちょうど、刊行順で言って前作になる『フロム・ミー・トゥ・ユー』が番外編的なエピソードだっただけに、凄く久々な感じがする。まぁ、テレビドラマ化されたりとか、シリーズの外側でも色々とあったけれども。
冒頭に書いた1編目は、結構、ミステリ色が強め。「おやつ代にする」ということで書籍を売りにきた少女と、フェアの本を見て奇妙な行動を取る脚本家。脚本家は一体、何をしているのか? そして、その背景とは? 想像は出来るかもしれないけど、この作品らしいLOVE溢れる展開はやっぱり安心できるなぁ、と再確認。
4編目では、研人の進路が一つの問題に。第1作目では、小学生だった研人が、中学3年になり、進路について……というだけで、時間の流れが強く感じられる。祖父である我南人の影響で音楽を始めたり、というのはともかくとして、そこまで極端な決断をしてしまう、というのはさすだだなぁ、と思ったり。と同時に、それはそれで受け入れてしまう鷹揚さっていうのが、これまた堀田家の凄さ、とも感じる。一応、その過去とかも語られているけど、やっぱり堀田家、普通の古本屋じゃないわ(笑)
あと、物語本編とはそれほど関係がないのだけど、印象に残ったのが3編目。盲腸で、すぐに復帰する、とはいえ、勘一が不在な東京バンドワゴン。元々が高齢な上に、作中での時間も経っているので、ある意味、仕方がないのだけど勘一だっていつまでも元気なわけではない。決して先が長いわけではない、というのを改めて感じさせる。そして、その勘一がいなくなった堀田家というのは、またまったく別の雰囲気になってしまう……。そんなことをどうしても頭に思い浮かべることになったエピソードだった。
No.3488

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青が出演した映画の脚本家・岸田安見が東京バンドワゴンへとやってきた。バンドワゴンでは、ちょうど、過去の作家のフェアの最中。そして、そのフェア、そして、ちょうど、本を売りにきた少女を見た岸田安見は、なぜか涙を流し……(『秋 真っ赤な紅葉はなに見て燃える』)
など、東京バンドワゴンでの1年を追ったシリーズ第8作(番外編を含めれば9作)
ちょうど、刊行順で言って前作になる『フロム・ミー・トゥ・ユー』が番外編的なエピソードだっただけに、凄く久々な感じがする。まぁ、テレビドラマ化されたりとか、シリーズの外側でも色々とあったけれども。
冒頭に書いた1編目は、結構、ミステリ色が強め。「おやつ代にする」ということで書籍を売りにきた少女と、フェアの本を見て奇妙な行動を取る脚本家。脚本家は一体、何をしているのか? そして、その背景とは? 想像は出来るかもしれないけど、この作品らしいLOVE溢れる展開はやっぱり安心できるなぁ、と再確認。
4編目では、研人の進路が一つの問題に。第1作目では、小学生だった研人が、中学3年になり、進路について……というだけで、時間の流れが強く感じられる。祖父である我南人の影響で音楽を始めたり、というのはともかくとして、そこまで極端な決断をしてしまう、というのはさすだだなぁ、と思ったり。と同時に、それはそれで受け入れてしまう鷹揚さっていうのが、これまた堀田家の凄さ、とも感じる。一応、その過去とかも語られているけど、やっぱり堀田家、普通の古本屋じゃないわ(笑)
あと、物語本編とはそれほど関係がないのだけど、印象に残ったのが3編目。盲腸で、すぐに復帰する、とはいえ、勘一が不在な東京バンドワゴン。元々が高齢な上に、作中での時間も経っているので、ある意味、仕方がないのだけど勘一だっていつまでも元気なわけではない。決して先が長いわけではない、というのを改めて感じさせる。そして、その勘一がいなくなった堀田家というのは、またまったく別の雰囲気になってしまう……。そんなことをどうしても頭に思い浮かべることになったエピソードだった。
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