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(書評)ぼくのゆうしゃ2

著者:葵せきな

ぼくのゆうしゃ 2 (富士見ファンタジア文庫)ぼくのゆうしゃ 2 (富士見ファンタジア文庫)
(2013/08/20)
葵 せきな

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日本から「勇者」として召喚されたミカミトオル。保護者を勝手に名乗るファルディオにつれられてやってきたのは、闘技都市ルザル。そこで行われる闘技大会に参加することで、トオルの力試し……という名の金儲けを企むファルディオ。そんなトオルたちの前に現れたのは美人な女剣士セシリア。彼女が言うには、大会に魔族の力と人間の知能をかねそろえた「魔人」が紛れ込んでいるらしい……
てな感じのシリーズ第2作。
正直、第1巻のときは、まだシリーズとしてこなれていない感じがして、ギャグというよりはマジメな印象が勝っていた。ところが、2巻に来て、一気にこなれてきたような感じがする。
物語は、冒頭に書いたように、闘技都市で闘技大会に出る、という話。そこには、魔人が混じっており、かつ、女剣士セシリアからトオルが修行を受ける、というものも含まれている。修行とか、そういうところは比較的、マジメな感じではあるのだけど、セシリアのマジメなのか、毒舌なのかよくわからないキャラクター。さらに、そんな彼女とファルディオとの応酬などが多くて前巻よりもバランスが良いな、というのをまず感じる。
そして、その上で、そもそも、トオルがそれほど勉強が出来るわけじゃない、という部分。さらに、「パリパリの死骸専門広場」から続けられる言葉の取り違いがまさか最後まで貫かれるとは思わなかった。っていうか、結構、マジメに魔人との戦いみたいな感じになってのそのオチは酷い(褒め言葉)
本編としてはそんな感じなのだけど、一方で、トオルが元住んでいた日本での描写で、何か随分とシャレにならないようなハードな状況が見え隠れするんだが……。なんか、こっちがすごく気になる。まぁ、女神のところへ、という勇者の仕事も、実のところかなり胡散臭いから、どっちもどっちではあるのだが……。そういう意味での引きが上手い、ということになる……のかな?

No.3495

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