著者:似鳥鶏
閉園後の楓ヶ丘動物園への裏道。そこにいたのはなぜかアルパカ。何とか、そのアルパカを捕まえ、元の所有者を求めるものの、名乗り出る者はいない。そんな中、動物園のアイドル飼育員・七森さんの友人が失踪していることが判明。さらに、動物園には謎の侵入者まで現れて……
シリーズ第3作。だんだんと、頁数が減っていないか、これ? 別にいいけど。
今回は、冒頭に書いたように、動物プロダクションに勤めていた七森さんの友人の失踪。アルパカ、謎の侵入者による襲撃……で綴られる。勿論、これらがすべて繋がっているのは明らかだし、明らかに「ここが黒幕なのだろう」という相手も明らか。そういう部分ではかなりわかりやすい状況がある。
……のだけど、それいしても、なぜか桃本たちが行動を先回りされるのはなぜかという謎。そもそお、その明らかな相手がしていることは何なのか? という謎がしっかりと牽引役となるので読みやすい。さらに、その中で、シリーズ第1作から出てくる「動物園」とは何か? というテーマ性も貫かれている。
本当、この「動物園」とは何か? というテーマ。これって、難しいよなぁ……
これまでの作品では、動物園は娯楽施設であると同時に研究機関というような部分が強調されていたのだけど、本作では娯楽施設としての難しさがある。即ち、経営という観点で考えるなら、客が来てくれなければならない。それに皆、苦労をしている。予算がたっぷりあるとか、動物の数が豊富とか、そういうところばかりではないのだから……。そんなところに、ある囁きがあったら……
動物を利用した産業と動物虐待の差は……? 私は競馬とか見ているわけだけど、馬を走らせるのは虐待とか言われる。でも、いざ、それが廃止されたら維持費がかかるので皆、処分されてしまう、というのも事実。それと同じ構造がここにもあるわけだし。
基本、コミカルながらも、そういうところを考えさせる。最近の著者の作品らしさがしっかりと詰まった作日だろう。
No.3505

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閉園後の楓ヶ丘動物園への裏道。そこにいたのはなぜかアルパカ。何とか、そのアルパカを捕まえ、元の所有者を求めるものの、名乗り出る者はいない。そんな中、動物園のアイドル飼育員・七森さんの友人が失踪していることが判明。さらに、動物園には謎の侵入者まで現れて……
シリーズ第3作。だんだんと、頁数が減っていないか、これ? 別にいいけど。
今回は、冒頭に書いたように、動物プロダクションに勤めていた七森さんの友人の失踪。アルパカ、謎の侵入者による襲撃……で綴られる。勿論、これらがすべて繋がっているのは明らかだし、明らかに「ここが黒幕なのだろう」という相手も明らか。そういう部分ではかなりわかりやすい状況がある。
……のだけど、それいしても、なぜか桃本たちが行動を先回りされるのはなぜかという謎。そもそお、その明らかな相手がしていることは何なのか? という謎がしっかりと牽引役となるので読みやすい。さらに、その中で、シリーズ第1作から出てくる「動物園」とは何か? というテーマ性も貫かれている。
本当、この「動物園」とは何か? というテーマ。これって、難しいよなぁ……
これまでの作品では、動物園は娯楽施設であると同時に研究機関というような部分が強調されていたのだけど、本作では娯楽施設としての難しさがある。即ち、経営という観点で考えるなら、客が来てくれなければならない。それに皆、苦労をしている。予算がたっぷりあるとか、動物の数が豊富とか、そういうところばかりではないのだから……。そんなところに、ある囁きがあったら……
動物を利用した産業と動物虐待の差は……? 私は競馬とか見ているわけだけど、馬を走らせるのは虐待とか言われる。でも、いざ、それが廃止されたら維持費がかかるので皆、処分されてしまう、というのも事実。それと同じ構造がここにもあるわけだし。
基本、コミカルながらも、そういうところを考えさせる。最近の著者の作品らしさがしっかりと詰まった作日だろう。
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