著者:一之瀬六樹
「おまえは人間のために働き、人間が不愉快になる行動を決してしてはならない」 心臓の動かない「失敗作」のホムンクルスとして生まれたコッペリアは、お屋敷で働きたいという意思を認められメイドの仲間入りをする。先輩メイドたち、コッペリアそっくりで病弱なお嬢様・スワルニダ。そのような人々に囲まれ、コッペリアは次第に人間らしい感情を得ていって……
第1回京都アニメーション大賞小説部門・奨励賞受賞作。
なんか、雰囲気が好きだなぁ。とにかく、それを読んでいて感じる。
もう、冒頭のところから予想できるかもしれないけど、そもそもコッペリアは病弱なお嬢様・スワルニダに心臓を提供するための存在として生み出された結果の「失敗作」。そして、だからこそ、生きながらえることが出来、メイドとしての日々を送ることに。
元々は、ただの自動人形であったため、瞬きもしなければ呼吸もしない。しかし、それを自然に見せるため、人間がそうしているような仕草を覚える。本当に伝えたい、という思いから言葉を獲得する。さらに、スワルニダの文通相手とスワルニダの身代わりとして行動をする。小動物を拾って世話をする。そのような中でさらに少しずつ感情を芽生えさせていく。その中で思うのは、スワルニダとその兄・コッペリオンの関係に羨ましさを覚える。一方で、スワルニダもまた、ままならない自分の身体が悔しく、そして、自分そっくりなコッペリアが……
コッペリアの感情が少しずつ芽生えていく描写。その中で少しずつ変わっていくそれぞれの関係性。そういうのが実に丁寧に描かれていて、本当、読んでいていいなぁ、と感じられた。コッペリア、凄くまっすぐ、というのもあるし。
ただ、そのまっすぐさ故にかけ違いが生じて……の後の展開がちょっと「?」という感じ。もしかしたら、あわよくば続編を、と言うことだったのかもしれないけど、何か、ただわかりづらくなってしまったのはちょっと残念かな……とも、最後に思った。
No.3508

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「おまえは人間のために働き、人間が不愉快になる行動を決してしてはならない」 心臓の動かない「失敗作」のホムンクルスとして生まれたコッペリアは、お屋敷で働きたいという意思を認められメイドの仲間入りをする。先輩メイドたち、コッペリアそっくりで病弱なお嬢様・スワルニダ。そのような人々に囲まれ、コッペリアは次第に人間らしい感情を得ていって……
第1回京都アニメーション大賞小説部門・奨励賞受賞作。
なんか、雰囲気が好きだなぁ。とにかく、それを読んでいて感じる。
もう、冒頭のところから予想できるかもしれないけど、そもそもコッペリアは病弱なお嬢様・スワルニダに心臓を提供するための存在として生み出された結果の「失敗作」。そして、だからこそ、生きながらえることが出来、メイドとしての日々を送ることに。
元々は、ただの自動人形であったため、瞬きもしなければ呼吸もしない。しかし、それを自然に見せるため、人間がそうしているような仕草を覚える。本当に伝えたい、という思いから言葉を獲得する。さらに、スワルニダの文通相手とスワルニダの身代わりとして行動をする。小動物を拾って世話をする。そのような中でさらに少しずつ感情を芽生えさせていく。その中で思うのは、スワルニダとその兄・コッペリオンの関係に羨ましさを覚える。一方で、スワルニダもまた、ままならない自分の身体が悔しく、そして、自分そっくりなコッペリアが……
コッペリアの感情が少しずつ芽生えていく描写。その中で少しずつ変わっていくそれぞれの関係性。そういうのが実に丁寧に描かれていて、本当、読んでいていいなぁ、と感じられた。コッペリア、凄くまっすぐ、というのもあるし。
ただ、そのまっすぐさ故にかけ違いが生じて……の後の展開がちょっと「?」という感じ。もしかしたら、あわよくば続編を、と言うことだったのかもしれないけど、何か、ただわかりづらくなってしまったのはちょっと残念かな……とも、最後に思った。
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