著者:野村美月
「わたしとあなたがはじまった場所へ。あなたが裏切った場所へ。約束をはたしに来て」 是光らの携帯に届く「藤乃」から「ヒカル」へと向けたメール。そこには、紫織子の写真が添付され……。そして、是光は、信州でヒカルの母・藤乃と面会を果たす……
シリーズ完結編。
なるほど……なんか、これまでの話で出てきた様々な要素が見事にすべて生かされた、という印象。「六条」を名乗る存在によって誘拐されてしまった紫織子。その「六条」は誰なのか? さらに、それをどのように救助するのか? 救助をするために、これまで是光が培った人間関係がフルに活かされる。さらに、六条のキャラクターというのも、過去のエピソードからなるほど、と思わされる。
そして、そんな物語が絡み合う原因となったのが今回のヒロイン的存在であり、ヒカルの「最愛の人」でもあった藤乃と、ヒカルの関係。
文字通り、幼い頃に出会ったとき、惹かれあった二人。しかし、ただ「義母と子」というだけでなく、文字通りの禁断の関係。だからこそ苦しく、先がない。その区切りをつけようとしての行動から始まった悲劇……。本当、ここから物語が動き出した、というのがわかる。また、それが今回の話の発端にもなっている。そういう意味では、最初から狂っていたのか……と……。でも、そこまで、ということになるんだろうな……
これまでの感想でも書いてきたのだけど、私は『源氏物語』について詳しくはない……というか、知識がないので、原作とのリンクとか、その辺りは全くわからない。代わりに、純粋な悲恋物語として楽しむことが出来た。
そして、その結末は……
これまでの関係の決着。これまでの広げてきたそれぞれのヒロインとの関係についても決着をつける。それぞれに未練も残っている。しかし、その未練もが先に進むための糧になる。何よりもさわやかな後味が残った。そういうのも含めて、「青春」と言う感じでよかった。
No.3511

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「わたしとあなたがはじまった場所へ。あなたが裏切った場所へ。約束をはたしに来て」 是光らの携帯に届く「藤乃」から「ヒカル」へと向けたメール。そこには、紫織子の写真が添付され……。そして、是光は、信州でヒカルの母・藤乃と面会を果たす……
シリーズ完結編。
なるほど……なんか、これまでの話で出てきた様々な要素が見事にすべて生かされた、という印象。「六条」を名乗る存在によって誘拐されてしまった紫織子。その「六条」は誰なのか? さらに、それをどのように救助するのか? 救助をするために、これまで是光が培った人間関係がフルに活かされる。さらに、六条のキャラクターというのも、過去のエピソードからなるほど、と思わされる。
そして、そんな物語が絡み合う原因となったのが今回のヒロイン的存在であり、ヒカルの「最愛の人」でもあった藤乃と、ヒカルの関係。
文字通り、幼い頃に出会ったとき、惹かれあった二人。しかし、ただ「義母と子」というだけでなく、文字通りの禁断の関係。だからこそ苦しく、先がない。その区切りをつけようとしての行動から始まった悲劇……。本当、ここから物語が動き出した、というのがわかる。また、それが今回の話の発端にもなっている。そういう意味では、最初から狂っていたのか……と……。でも、そこまで、ということになるんだろうな……
これまでの感想でも書いてきたのだけど、私は『源氏物語』について詳しくはない……というか、知識がないので、原作とのリンクとか、その辺りは全くわからない。代わりに、純粋な悲恋物語として楽しむことが出来た。
そして、その結末は……
これまでの関係の決着。これまでの広げてきたそれぞれのヒロインとの関係についても決着をつける。それぞれに未練も残っている。しかし、その未練もが先に進むための糧になる。何よりもさわやかな後味が残った。そういうのも含めて、「青春」と言う感じでよかった。
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