fc2ブログ

(書評)泥棒だって謎を解く

著者:影山匙

泥棒だって謎を解く (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)泥棒だって謎を解く (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
(2014/08/06)
影山 匙

商品詳細を見る


中高生時代の親友であった桜庭、清水、久間、兵衛。長じた彼らは、桜庭と清水は警察官に、久間と兵衛は泥棒になっていた。彼らが再会したそのとき、彼らは互いにどういう関係なのかを理解する。そして、その翌日、桜庭の恋人が遺体となって発見される。しかも、その手口から、犯人は物盗り、窃盗常習犯による可能性が高いと判断され……
第12回『このミス』大賞隠し玉作品。
なんか、こういうと何だけど、初期の『このミス』大賞受賞作っぽいB級テイスト溢れる作品と言った趣。面白い、と感じる部分はあるのだけど、設定の甘さ、というか、粗さ、というか、そういうものも目立つという感じ。
その面白いと感じるところ、というのは何よりも目線の違い。窃盗は当然に犯罪。そして、それぞれの窃盗犯ごとに得意な進入方法などのクセがあるし、また、窃盗犯の目から見た「入りやすい」家、「入りたい」家もある。その観点は面白いし、警察の目からは同一犯でも、犯人の目から見て、それがチグハグなのはなぜだ? という謎の提起などは面白い。特に、第1章の桜庭の恋人が殺された事件などは面白かった。そして、その上でさらなる事件へと言うつなぎ方も……
ただ、展開のさせ方とか、そういうのはやっぱり物凄く粗い。第2章で、兵衛が「入りやすそうな家だな」と見ていたらいきなり「泥棒でしょ?」と言われて、行方不明になっている「泥棒の」兄を探して欲しいと依頼されるとか、どんなご都合主義だよ! という感じ。物語は後半、連続殺人鬼であり、泥棒を追う。そして、なぜ、その犯人は同じ場所で犯行を繰り返すのか? という謎が出てくるのだけど、それをする理由もちょっと強引。いくら、警察の中に内通者がいる、と言っても警察署で一丸ってわけじゃないだろうし、現行犯とか言い逃れの出来ないリスクもあるはず(同じ地域で窃盗被害が続けば、警察だって警戒するはず) そういうのがどうにも……
まぁ、最初からゆるいB級作品として考えれば、それはそれでアリかも。どちらにしても、デビュー作なわけだし、そこまで厳しく評価する必要はないのかな? と(←随分とえらそう)

No.3518

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村



スポンサーサイト



COMMENT 0

TRACKBACK 1

この記事へのトラックバック
  •  泥棒だって謎を解く
  • 泥棒だって謎を解く ≪あらすじ≫ 中高生時代に親友だった四人の男。桜庭(サク)と清水(おりん)は長じて刑事に、久間と兵衛(ヒョエ)は泥棒となった。ところが、故郷の鷺ノ下市でこの二組が再会した翌日、事件が起きた。サクの恋人が遺体で見つかったのだ。物盗りの犯行―、しかも窃盗常習犯によるものとされたが…。やがて事件は思わぬ展開を見せる!話題作が続々、『このミステリーがすごい...
  • 2014.11.24 (Mon) 21:05 | 刹那的虹色世界