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(書評)どこの家にも怖いものはいる

著者:三津田信三

どこの家にも怖いものはいるどこの家にも怖いものはいる
(2014/08/08)
三津田 信三

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私の元へ届いたとある編集者からの手紙。私の熱心なファンであるというその編集者・三間坂は私にいくつかの幽霊屋敷の話を渡した。時代、人物、内容……それぞれ、全く別の話であるのに、なぜか奇妙な共通点を感じさせる。それらの逸話に隠された秘密とは一体何なのか?
うーん……どういう風に表現すればいいのか迷うなぁ……
物語は、先に書いたとおり作家である主人公のところへ、編集者・三間坂から怪談話が渡され、それを読みながら……、そして、それらが関係があるのか、それともないのか? ということについて考察する、と言う形で展開する。
まず、それぞれのエピソードはなかなか魅力的。
購入したばかりの新築の家。そこで、娘は自分には見えない何かと話をしている。そして、そんな何かによって、家に遊びに来ていた少年は行方不明になってしまった……。森で出会った「割れ女」と呼ばれる存在。それに追いかけられ迷い込んだのは近隣で恐れられる曰く憑きの屋敷……。学生時代に借りた格安物件。そこではしばしば、奇妙な音が屋根から聞こえ、見上げると……。まるで宗教家のようになってしまった母。その家へと言った私が出会ったもの……。とある有力者の家に生まれた「悪いこと」を予言する娘……
それぞれのエピソードそのものがかなり面白い。最初のエピソードなどは、いかにも、な怪談だし、3つ目などは怪談ではあるのだけど、その音とか、そういうのがユーモラスな印象も与える。それぞれ、別の人間が別の形で語った、という形になっているのだが、確かになにか共通点があるような印象が残り後を引く。この辺りは、作中の私や三間坂と同じだと思う。その共通点を探っていく考察過程も面白い。
……のだけど、その結末がちょっと弱いかなぁ?
そもそもが、仮定に仮定を重ねて、「こういう解釈ができるんじゃないか?」というところで終わってしまう。そこに矛盾があるとか、そういうわけではないのだけど、「そうかもね」という感じ。一応、地名とか、そういうのを出すのならば、そういう特色とかも使ったほうが良かったんじゃないか、とも思うし。
なんか、そういうのを考えると、1本の長編というよりも、短編集のような形の方が楽しめるかも。

No.3522

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