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(書評)とある飛空士への誓約6

著者:犬村小六

とある飛空士への誓約 6 (ガガガ文庫)とある飛空士への誓約 6 (ガガガ文庫)
(2014/08/19)
犬村 小六

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秋津の裏切り。その騒動の中、3つの敵対する勢力に分かれてしまった「エリアドールの7人」。秋津連邦首都・箕郷の防空任務についた清顕は、そこでエースとして頭角しつつあった。そして、対立するセントヴォルトのヴォルテック隊でもまたイリアがエースへと成長していた。やがて、両軍は激突し……
「感傷は捨てろ。感情もいらない。ぼくはもう、人間ではない」
なんか、6巻は、そんな言葉が全てを代表している気がする。
今回は、各キャラクターの最低限の現状報告、今後への伏線張りといったものはあるのだけど、ほぼ、清顕とイリアの描写に尺が取られる。400頁超とラノベ作品としては分量が多い作品で、その大部分が、というだけあってかなり読み応えがある作品になっている。
敵対する関係となってしまった清顕とイリア。冒頭に書いたように、「自分は人間ではない。機械だ」と言い聞かせ、セントヴォルトとの戦いをこなす清顕。しかし、そう言い聞かせても、いざ、イリアとの直接やりあったとき、引き金が引けるのか迷う。一方のイリアは、別れのときの「勝負だ」という言葉を胸に、憎しみなく戦うことを決意する。そして……
最初から決意が決まっていたイリアと、逆にそれがなかった清顕。けれども、最初のぶつかりの際に、自分の替わりに死んだ仲間、そして、セントヴォルトによって破壊された町を見て決意へ……という対比は、当初からの二人の人間性を改めて感じたし、その対比を通しての終盤での対決はやっぱり面白い。迫力とか、悲惨さとか、そういうのはあるのだけど、何か美しい、と感じるのが見事。
今回が、第2部完、ということで、対決の後、今回、出番が殆どなかったセシルを中心としたところで物語が大きく脈動。ほぼ敗軍の章となっているかぐやと、軍の中でどんどん孤立しているバルタザール、この辺りは再会へ……となりそうだけど、ウラノス側とかは、どう動くことになる? ニナ・ヴィエントが即位したことでプラスに働きそうな予感はあるけど……

No.3550

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