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(書評)A HAPPY LUCKY MAN

著者:福田栄一

A HAPPY LUCKY MAN―長編小説 (光文社文庫 (ふ18-1))A HAPPY LUCKY MAN―長編小説 (光文社文庫 (ふ18-1))
(2007/03)
福田 栄一

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9月17日。必修科目の教授が病気になり、代わりの助教授からはレポート課題が。そんなときに限って、寮の管理人が入院するわ、バイト先でも事件が起こるわ…。(ゲームに負けてやることになった)寮長・幸也の怒涛の一週間が始まる…。
以前、『エンドクレジットには最適な夏』を読んだ際に、「著者のデビュー作も同じスタイルの作品」という紹介を見たのだが、なるほど、同じようなスタイルである。そして、本作の方が、より素直に物語の世界を楽しむことが出来た。
物語としては、必修科目のレポートを課されたところから始まり、寮の管理人が入院し、トラブル処理が舞い込んでくる、という展開。あることに手を出すと、芋づる式に次のトラブルが舞い込み、さらに、それを処理しようとすると次のトラブルが…。序盤で…どころか、中盤、後半に入っていくつか解決したかに見えたところからも新たな事件が…と言う展開に最後まで「どうまとめるんだろう?」と眼が離せなかった。勿論、それらがちゃんと片付けられる辺りも巧い。
何よりも、本作の良いところは、主人公も事件も、「日常的」、もしくはその「延長線上」にあることだと思う。主人公の幸也自体が、お人よしだけど、結構、怠け者で周囲に流されやすい…と言う、その辺りにいそうな性格の人物だし、また、事件…と言っても殆どが、仲間の恋人との仲裁だとか、騒がしい寮生に対する近所の苦情処理だとか、突然やってきた祖父の世話だとか…やっぱり「身近で起こりそう」なものばかり。おかげで、物語の中にすぐに入ることが出来た。一つ一つは、そんなに大事件ではないけれども、それが積もり積もっていく大変さに妙なリアリティがある。
正直、物語の発端であり(ある意味)最大の難関についての解決策が個人的に「あれ?」と思ったところがあるのだけど、これは好みの問題かな、と。欠点ではないだろう。面白かった。

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COMMENT 2

じゅん  2010, 10. 04 [Mon] 19:05

どうもー

いやいや、ホント楽しめますよね。
盛り上げ方とまとめ方もキモチイイ感じですし。
で、
最後の「あれ?」が気になります。
なんかスムーズに読み終えてしまったので。


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たこやき  2010, 10. 08 [Fri] 19:47

じゅんさん

どんどん、トラブルがふくれあがっていく様がテンポ良く展開して良いですよね。
福田さん、色々なタイプの作品を書いていますけど、それぞれ、上手いな、と思います。

最後の「あれ?」は、それまで、全くレポートの話がなくて、っていうので、もう一苦労あるのかな? とおもっていたので、です。
別に欠点とかじゃないです。

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