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(書評)黒い羽

著者:誉田哲也


黒い羽 (光文社文庫)黒い羽 (光文社文庫)
(2014/08/07)
誉田 哲也

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右肩にある瑕に、幼い頃から苦しめられてきた典子。そんな彼女に、主治医は遺伝子治療の知見を受けないかと誘う。ところが、山奥の研究施設に行く途中、自動車は事故で投げ出されてしまう。そして、何とかたどり着いた研究施設では、猟奇的な事件が起きていて……
なんか、事前には一切の情報を持っていなかったのだけど、どうやら著者にとって初期の作品に当たるらしい。確かに、デビュー当時の雰囲気を感じる。『妖の華』とか、『アクセス』、『吉原暗黒譚』といった作品が、まさにこんな感じだから。
正直、話としてはあまり面白くない。
だって、山奥の研究施設でおきていた猟奇殺人。それは明らかに、人外によって引き起こされたと思われる。正体不明の脅威。研究所に残された記録から浮かび上がってくる研究。そして、典子自身の秘密……。……なんか、かなりテンプレートなホラーモノ、という感じの設定でしょ? そして、その展開のさせ方も正直、予想通り、という感じなのだ。多分、次はこうなるんだろうな、と思うと、本当にそのままの展開が待っているものだから。
結末についても、これだけ多く、そして、アッサリと人々が殺されていった割に、随分と簡単にハッピーエンドになってしまう。いや、それ、そんなに簡単に受け入れられるものなの? どうしてもそんなことを考えてしまう。
まぁ、それでも、リーダビリティの高さであるとか、そういうところでのツボの抑え方は流石と感じる。それに、ヒロインである典子のちょっとした仕草とか、そういうところも流石である。そういう著者の武器となっている部分の萌芽と、まだまだストーリーテーリングの弱さ、といのを同時に感じさせるような作品であると思う。
暇潰しくらいにはなると思うのだけど……そんなに高い評価はできないかな? 最近の著者の作品と比べると、どうしても一枚劣る
という評価をせざるを得ない。

No.3591

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