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(書評)はてな☆イリュージョン

著者:松智洋


はてな☆イリュージョン (ダッシュエックス文庫)はてな☆イリュージョン (ダッシュエックス文庫)
(2014/11/21)
松 智洋

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中学1年になる少年・不知火真は、世界的な奇術師であり、両親の知人でもある星里衛に弟子入りするために上京する。幼い頃、衛夫妻の行うイリュージョンショーを見て以来、奇術師に憧れてきた夢をかなえるため。ところが、やってきて早々、衛夫妻の娘で、幼馴染のはずの果菜(仇名ははてな)は、態度を一変。さらに、衛は海外公演のために屋敷を留守にしてしまって……
先日読んだ『放課後アポカリプス』(杉井光著)と同じくダッシュエックス文庫の創刊ラインナップの1作。著者の過去作品は未読。『迷い猫オーバーラン』のアニメは見ていたけど……
ということで、ラブコメ方面の話を書く人らしい、という程度の前知識を持って読んだ私。この作品だけの特徴なのかもしれないけれども、結構、じっくりと主人公・真と、果菜、及び屋敷の面々とのやりとりを描いた作品だな、というのを感じた。
こういうと何だけど、物語の構図は結構、シンプル。衛の館で暮らすことになった真。ところが、幼馴染のであるはずの果菜は、真のことを女の子だと勘違いしており、実は男だったことに戸惑い、距離を置いてくる。一方、実は果菜の家というのは、魔法使いの家系であり、家の中では、その魔法にまつわる出来事などが起きている……。この構図そのものは、読者とすれば早い段階で明らかなのだが、真も果菜もその辺りでのすれ違いなどがあり、なかなか進まないともいえる。この辺り、丁寧といえば丁寧なのだけど、スローペースとも感じる。人によって評価が分かれるかな? と感じる。
その上で、真が魔法のことを知り、館から奪われた魔法の道具(アーティファクト)を奪い返しにいった果菜の元へ駆けつけるところは……個人的にはちょっともったいなく感じた。いや、王子のように駆けつけて、というのはベタだけどそれで良い。でも、奇術師になるために頑張ってきた、とか、そういうのが実は殆ど関係なくなっているんだもの。しかも、初心者のはずなのに思い切り使いこなしてしまっているし。そこが一工夫欲しかったかも。
あと……イラストが『ToLOVEる』の矢吹さんだからだろうか? なんか、かなり強引にお風呂シーンを挿入し、そこでしっかりと描かれているイラストがある(しかも、見開きという珍しい形で)

No.3594

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