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(書評)最後の嘘 吉祥寺探偵物語

著者:五十嵐貴久


最後の嘘-吉祥寺探偵物語 (双葉文庫)最後の嘘-吉祥寺探偵物語 (双葉文庫)
(2014/07/09)
五十嵐 貴久

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いつものようにコンビニでのバイトをする川庄。そんな彼の前に現れたのは、元参院議員で、武蔵野市長選に打って出ようという榊原。彼は、川庄にある少女の行方を捜すよう依頼する。その少女とは、榊原がかつて愛した女性との間に出来た子供、隠し子だという……
シリーズ第2作。
相変わらず、コンビニのバイト、サボりまくりだなぁ(笑) まぁ、今回は川庄も酷いけど、正社員になることが決まっている後輩バイトの柴田も柴田だけど。相手が榊原とわかったら、いきなり紹介してくれ、とか、なんやねん、こいつ(笑)
消えた少女・亜美。榊原は、自分の子ではなく、姪として彼女を支援していた。しかし、それが嘘とバレ、自分の母親を捨てた(ように見える)榊原に反発し、家出をした。そんな形で、実はアッサリと亜美自身は発見することが出来る。しかし、そんな亜美の心情を慮り、川庄は榊原の下へ送るのではなく、しばらく亜美を自宅で匿うことにする。一方で、そんな亜美が付き合っている男、には薬物を女に捌かせている、という噂もある……
なんていうか、思いっきりハードボイってます(笑) いや、亜美に色仕掛けで迫られて、なぜか敬語になるとか情けないところはあるんだけど、依頼人の頼みがあろうと亜美を最優先する。そして、彼女のことを第一に思って動く様は格好いい。
それと、今回は、榊原の父娘の話と、川庄自身の父子の話というのが上手く噛み合っている感じ。前作の場合、正直、川庄がシングルファザーというような設定があまり活きていないように感じたのだけど、今回は自宅に匿うことによる子供同士の交流。さらに、色々といいつつも普段から話をし、忌憚のないやりとりが出来る川庄父子。一方、相手を思いつつも、それが伝わらず、不幸な形で守るしか出来なかった榊原……という対比などが上手く出来ている。
勿論、キャラクターに慣れた、とか、そういう部分もあるのだと思うけど、でも、前作よりも素直に楽しめた、と評価したい。

No.3603

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