著者:石田敏徳
現役時代、「シルバーコレクター」として人気を博した馬・ステイゴールド。現在は、人気種牡馬として多くの配合相手をあてがわれる同馬だが、その種牡馬としてのスタートは決して恵まれたものとは言い難かった。「社台をここまで本気にさせた、日高の種牡馬はいなかった」、そういわれるステイゴールドの軌跡を綴った一作。
2014年度、JRA馬事文化賞受賞作。「週刊Gallop」連載の記事を再構成&加筆修正したもの。
うーん……
正直なところ、本書の紹介のところで書いたJRAの馬事文化賞って、あまり普段は意識していない賞である。というか、読んでみたい書籍がないわけではないが、しかし、評価基準なども曖昧で……という感じになる。いや、読み応えのある作品も多いのだが、しかし……と思うようなケースもあるのだ。
本書は、1996年~2001年にかけて競走馬としての現役時代を過ごし、その後は種牡馬として活躍するステイゴールドについて、現役時代から、現在に至るまでの経緯について綴った書、ということになる。
いや、個人的に、一競馬ファンとして、この馬は好きな馬である。本書でも綴られている通り、シルバーコレクターとして競馬の世界の表舞台に現れ、そんな時代を長く続けながらもようやくの重賞制覇、そして、海外で実績をあげての感動のラストラン。そして、その中での種牡馬入りもそれほど期待されていなかったものの、それを覆すような活躍をして……。競馬に関する王道物語というのは、サクセスストーリー、というのがセオリーではあるが、競走馬として、さらに、種牡馬として、双方でそれを達成したステイゴールドは凄い、というのは実感できる。
ただ、正直、ステイゴールドが現役時代から見ていた競馬ファンであり、かつ、その種牡馬デビューからについて、それなりに関連書籍などを読んでいる身とするとあまり、これと言った新情報などもなかったなぁ、という感じがする。本書においては、7歳になった頃から種牡馬入り、それも、日高への売却などが語られており、その中での駆け引きがあった、というのは新鮮だったものの、あとは……という感じなのである。メジロ牧場のエピソードなども、吉沢譲治氏の『日本最強馬』などで知っていただけに。
Amazonのレビューなどを見ると、「ステゴファンに」なんていうレビューがあるが、私程度の競馬ファンでも既知であることを考えると、本馬のファンには既知のことが多いのではないだろうか? むしろ、競馬を好きになって、現在の種牡馬とか、そういうものについて興味があるようなファンこそ、楽しめるのではないかと思う。
No.3605

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![]() | 黄金の旅路 人智を超えた馬・ステイゴールドの物語 (2014/05/20) 石田 敏徳 商品詳細を見る |
現役時代、「シルバーコレクター」として人気を博した馬・ステイゴールド。現在は、人気種牡馬として多くの配合相手をあてがわれる同馬だが、その種牡馬としてのスタートは決して恵まれたものとは言い難かった。「社台をここまで本気にさせた、日高の種牡馬はいなかった」、そういわれるステイゴールドの軌跡を綴った一作。
2014年度、JRA馬事文化賞受賞作。「週刊Gallop」連載の記事を再構成&加筆修正したもの。
うーん……
正直なところ、本書の紹介のところで書いたJRAの馬事文化賞って、あまり普段は意識していない賞である。というか、読んでみたい書籍がないわけではないが、しかし、評価基準なども曖昧で……という感じになる。いや、読み応えのある作品も多いのだが、しかし……と思うようなケースもあるのだ。
本書は、1996年~2001年にかけて競走馬としての現役時代を過ごし、その後は種牡馬として活躍するステイゴールドについて、現役時代から、現在に至るまでの経緯について綴った書、ということになる。
いや、個人的に、一競馬ファンとして、この馬は好きな馬である。本書でも綴られている通り、シルバーコレクターとして競馬の世界の表舞台に現れ、そんな時代を長く続けながらもようやくの重賞制覇、そして、海外で実績をあげての感動のラストラン。そして、その中での種牡馬入りもそれほど期待されていなかったものの、それを覆すような活躍をして……。競馬に関する王道物語というのは、サクセスストーリー、というのがセオリーではあるが、競走馬として、さらに、種牡馬として、双方でそれを達成したステイゴールドは凄い、というのは実感できる。
ただ、正直、ステイゴールドが現役時代から見ていた競馬ファンであり、かつ、その種牡馬デビューからについて、それなりに関連書籍などを読んでいる身とするとあまり、これと言った新情報などもなかったなぁ、という感じがする。本書においては、7歳になった頃から種牡馬入り、それも、日高への売却などが語られており、その中での駆け引きがあった、というのは新鮮だったものの、あとは……という感じなのである。メジロ牧場のエピソードなども、吉沢譲治氏の『日本最強馬』などで知っていただけに。
Amazonのレビューなどを見ると、「ステゴファンに」なんていうレビューがあるが、私程度の競馬ファンでも既知であることを考えると、本馬のファンには既知のことが多いのではないだろうか? むしろ、競馬を好きになって、現在の種牡馬とか、そういうものについて興味があるようなファンこそ、楽しめるのではないかと思う。
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