(書評)純喫茶「一服堂」の四季

著者:東川篤哉


純喫茶「一服堂」の四季純喫茶「一服堂」の四季
(2014/10/09)
東川 篤哉

商品詳細を見る


古都・鎌倉でひっそりと営業する古民家風喫茶「一服堂」。エプロンドレス姿の美人店主は、恥ずかしがり屋で人見知り。しかし、事件が起きるとガラッと人格が変わってしまう。そんな一服堂に持ち込まれる「春」「夏」「秋」「冬」、4つの事件を綴った連作短編集。
おい、表紙詐欺!!(笑) 色々な意味で(笑)
ぶっちゃけ、この表紙、『珈琲店タレーランの事件簿』(岡崎琢磨著)のパクりじゃないのか? と、きっと、誰もが思うはず。少なくとも、文庫化サイズでこのイラストで一緒に置かれていたら間違える自信がある(堂々と言ってどうする)
ただ、これまたぶっちゃけた話なんだけど、イラストはこんなでも、探偵役であるヨリ子のキャラクターは良くも悪くもいつもの著者のキャラクターだからご安心(?)を。少なくとも、先ほどあげた『珈琲店タレーランの事件簿』のような美星のようなキャラクターを期待してはいけない。
で、物語は一服堂にやってきた客が体験した、という事件のあらましが語られ、その人物が容疑者はこうではないか? と予想をする。しかし、それを聞いていた、ヨリ子が真相はコレだ、と語る、という形で綴られる。それぞれ、監視されいたはずの密室状態の家で起きた事件。
正直なところ、3編目までは退屈だった。いや、一つ一つのトリックは決して悪くない。悪くないのだけど、何しろ、物語がかなりワンパターン。先に書いたように、そもそもの状況が似ている上に、毎回、ヨリ子が怒り出すように、あからさまに怪しげな人物を容疑者から外し、実は……となるため。そのため、うーん……、という感じがどうしてもしてしまった。
ところが、4編目で一気にひっくり返された感じ。いや、4編目のトリック自体は、ある意味、物凄くバカバカしい、一種のバカミスのそれではある。あるんだけど、それ自体がしっかりと出来ている。と、同時に、この作品集全体の状況がひっくり返される。そのことを全く予測していなかったので見事にやられた、と感じるのだ。そういえば、確かに、今の時代なら出てきそうなアレとかでてこないものなぁ……
短編集ではあるのだけど、むしろ、その各編の構成力にやられた。そんな作品。

No.3652

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村



http://nijiirosekai.blog55.fc2.com/blog-entry-6088.html
スポンサーサイト

COMMENT 0

TRACKBACK 1

この記事へのトラックバック
  •  純喫茶「一服堂」の四季
  • 純喫茶「一服堂」の四季 作:東川 篤哉 発行元(出版):講談社 ≪あらすじ≫ 鎌倉にひっそりと佇む喫茶店「一服堂」の美人店主・ヨリ子は極度の人見知り。だが未解決事件の話を聞けば、態度豹変、客へ推理が甘いと毒舌のつるべ打ち。そして並外れた思考力で、密室の「十字架」磔死体など四つの殺人の謎に迫る。愛すべきキャラ、笑い、衝撃トリック満載の傑作短編集。 (裏表紙より抜粋) ...
  • 2017.05.31 (Wed) 23:04 | 刹那的虹色世界