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(書評)インデックス

著者:誉田哲也


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(2014/11/14)
誉田 哲也

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本部から、所轄である池袋署に異動した姫川玲子。結果、扱う事件の幅が広がった。そんな姫川玲子の事件、そして、彼女が捜査一課へ復帰するまでの出来事を描いた短編集。
作中の時系列だと、『ブルーマーダー』の前後辺りを描いている。実際、『ブルーマーダー』の事後処理というエピソードもある。その一方で、回想によって、シリーズの前日譚を描いた作品も存在している。
例えば、2編目『女の敵』。玲子が、本部の主任となり、初めて迎えた事件。中野のアパートで発見された男性の不審な遺体。主任となって、まだ、周囲との関係もギクシャクしている中、所轄からの応援として共に行動したのが大塚。彼が後に、最初に玲子の部下的な存在となり、『ストロベリーナイト』事件で殉職することになる……
正直、『ストロベリーナイト』自体がかなり前に読んだ作品で、大塚の印象が弱まっていたのだけど、玲子におびえる関係者に対し、辛抱強く、そして誠実に聞き込みをする大塚の姿に確かに、凄く良い刑事だ、という印象を感じる。どちらかと言うと、思い出した、というよりも発見した、的な印象が強いけれども。
一方、取調べが苛烈すぎるのではないか? と上司に言われる『落としの玲子』は、ちょっとコメディちっくな話。基本的には、上司から説教をされる、という話なのだけど、その中で、ちょっとしたきっかけで大逆転してしまう。姫川さん、やっぱり、容赦ないよ……(笑)
最後のエピソードである『闇の色』。飲食店の前で、男女3人が殺傷された。しかし、犯人の若い男は、命を失った男性ではなく、最初に狙われたものの、一命を取りとめた女性を狙っていたと思われる。その女性の過去を探る中、見えてきたのは、行方不明になってしまったその女性の子供……
無戸籍児。ネグレクト。そういう問題を取り上げつつ、取調室でその男の話を聞く玲子。先ほど挙げた『落としの玲子』が、いかにも、だっただけに、余計に、その悲しみが強調されているように感じる。そして、最後に復活した姫川班に加わることになるあの人。状況が状況だけに、その台詞は色々と……と思うのだが……

No.3665

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