著者:降田天
片田舎の小学校。1組には、マキという女王が君臨していた。そんな都会からクラスへと転入してきたエリカ。彼女の存在は、マキの女王の座を脅かし始め、クラス内では熾烈な権力争いが繰り広げられることに……
第13回『このミス』大賞、大賞受賞作。
物語は3章構成で綴られる。第1章は、冒頭に書いたクラスにエリカがやってくる、というところから物語が始まる。変わり者の「オッサン」と呼ばれる僕の視点で、マキとエリカの権力争いが綴られる。田舎の町で、女王として振舞うマキ。しかし、内心、それを快く思っていない者も多く、そして、都会からきたエリカは、その強気な性格などで権力を二分する存在になっていく。しかし、マキの側もまたエリカの弱点を狙っていく……
この権力争いがなかなかエグい(笑) マキによって作られたブームを、エリカは都会じゃ古い、とかでバッサリ。一方で、エリカの親が年を取っている、と言うことを知ったマキはそういうことでやっぱり反撃。どちらもグサグサと互いの傷を抉っていくもんだから。しかも、ある意味、大人の立場からすればどうでもいいようなことで。この辺り、子供ならでは、と言う感じ。
そして、第2章では、学校の教師視点で物語が綴られ、そして、3章で真相。
多分、この手の作品を読みなれている人ならば、その描かれ方などからある程度、トリックを見破ることは出来るんじゃないかと思う。自分ですら、ある程度、こうだろう、と予測することが出来たわけだから。そして、その真相がやや、出来すぎな偶然に頼りすぎじゃないか? と感じるところがある。ウェブ書店などのレビューみると酷評とかが多いのだけど、このあたりがマイナスに評価されたのだというのも判る気がする。
とんでもない傑作とか、そういうわけじゃないけれども、そこまで酷評される出来でもないと思う。学校内でのエグい対決とか、そういうのを中心にすると、素敵な「イヤミス」作家になるんじゃなかろうか?
No.3674

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片田舎の小学校。1組には、マキという女王が君臨していた。そんな都会からクラスへと転入してきたエリカ。彼女の存在は、マキの女王の座を脅かし始め、クラス内では熾烈な権力争いが繰り広げられることに……
第13回『このミス』大賞、大賞受賞作。
物語は3章構成で綴られる。第1章は、冒頭に書いたクラスにエリカがやってくる、というところから物語が始まる。変わり者の「オッサン」と呼ばれる僕の視点で、マキとエリカの権力争いが綴られる。田舎の町で、女王として振舞うマキ。しかし、内心、それを快く思っていない者も多く、そして、都会からきたエリカは、その強気な性格などで権力を二分する存在になっていく。しかし、マキの側もまたエリカの弱点を狙っていく……
この権力争いがなかなかエグい(笑) マキによって作られたブームを、エリカは都会じゃ古い、とかでバッサリ。一方で、エリカの親が年を取っている、と言うことを知ったマキはそういうことでやっぱり反撃。どちらもグサグサと互いの傷を抉っていくもんだから。しかも、ある意味、大人の立場からすればどうでもいいようなことで。この辺り、子供ならでは、と言う感じ。
そして、第2章では、学校の教師視点で物語が綴られ、そして、3章で真相。
多分、この手の作品を読みなれている人ならば、その描かれ方などからある程度、トリックを見破ることは出来るんじゃないかと思う。自分ですら、ある程度、こうだろう、と予測することが出来たわけだから。そして、その真相がやや、出来すぎな偶然に頼りすぎじゃないか? と感じるところがある。ウェブ書店などのレビューみると酷評とかが多いのだけど、このあたりがマイナスに評価されたのだというのも判る気がする。
とんでもない傑作とか、そういうわけじゃないけれども、そこまで酷評される出来でもないと思う。学校内でのエグい対決とか、そういうのを中心にすると、素敵な「イヤミス」作家になるんじゃなかろうか?
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