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(書評)クズと金貨のクオリディア

著者:さがら総、渡航(speakeasy)



校内でも最底辺に位置する少年・久佐丘晴磨。周囲から距離を置く彼の前に、天使のような後輩・千草夜羽が現れる。「友達が、ずっと連絡つかなくって……」そんな千種に、「もう一日待って、それで連絡がつかないようならまた相談して」とその場限りのつもりで晴磨は言うのだったが……
『変態王子と笑わない猫』のさがら総氏と、『やはり俺の青春ラブコメは間違っている』の渡航氏による合作作品。一応、どちらもアニメを視聴している(一応、『変猫』は原作1巻を読んでいる)という感じなのだけど、なるほど、両者らしさ、みたいなものは感じる。
主人公は冒頭に書いた二人。
見た目は良いが、かなりぶっちゃけた性格の姉を持つことで、女性などに対して期待などを持たなくなった晴磨。そして、他人との関係を持たない、ということをモットーに。なんか、この辺りは『青春ラブコメ』の比企谷っぽい感じ。一方、ヒロインの千種もかなりのクズ。高校生なのに学校内で闇金を行い、そして、自分はスクールカーストの上にいる、という自覚を持ち、故に他人は自分の言うとおりに動くのが当然という思考の持ち主。そして、そんな性格から、晴磨を振り回す。
そんな千種の思考の外れっぷり。振り回されながら、何とか一番、距離を置ける方法を探る晴磨。そのやりとりはウンザリとしながらも読ませる。そして、その中でやがて晴磨も苛立ちも爆発し、一度は千種が窮地になるわけだけど……。千種がクズだとして、じゃあ、他が聖人君子なのか、というとそうでもない……。そして、どうせクズなら……。この辺りも『青春ラブコメ』っぽい感じ。そういう部分での面白さはある。
ただ肝心の物語のまとめ方が……
千種から金を借りていた生徒達が行方不明になっている。生徒が消えるという「ランダム十字路」の噂。そして、もう一つの闇金融の噂……。色々と出てくる中、闇金融あたりは明らかになるものの、それ以外は解決しないままに終了。しかも、いきなり一足飛びで……事後!? 結局、何なの? 何だかよくわからないままに終わってしまった感じ。
続編、あるのかなぁ……?

No.3691

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