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(書評)密室の鍵貸します

著者:東川篤哉

密室の鍵貸します (光文社文庫)密室の鍵貸します (光文社文庫)
(2006/02/09)
東川 篤哉

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烏賊川市立大映画学科4年の流平は、映画会社に勤務する先輩・耕作の家で映画を鑑賞していた。だが、密室状態の家の中で先輩はナイフで刺されて絶命。しかも、同じ夜、元恋人の由紀まで何者かに殺害されていて…。
うん…なんていうか、非常に素直な本格モノだな、というのがまず第一。
自分以外は誰もいない部屋で殺された先輩。勿論、自分は犯人ではない。しかし、そう言っても信じてくれる人はいない。しかも、同じ頃、元恋人まで殺されている。何とかしなければ…。
導入部の展開がまず、ちょっと意表をついたところから、巧く物語に入り込んでいくことが出来た。密室の解明、真相の解明、流平の無実の証明。警察に追われながら流平と、その義兄である探偵・鵜飼が調査をしていく。
こういう展開だと、それをどういう風に描くか、というのも大きいのだけれども、非常に飄々とした、というか、軽い文体でテンポ良く進んでいく。実のところ、トリックそのものはある程度、読んでいる側からすれば予測できるものだし、また、多少、偶然に頼ったりしていて強引な部分もある。あるのだけれども、テンポの良さと文体によって目立たなくなっている。これは武器だよな…とつくづく感じる。
欠点がないわけではないのだけれども、楽しく読むことが出来た。

通算1227冊目

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