FC2ブログ

(書評)デビル・イン・ヘブン

著者:河合莞爾



2023年2月。武蔵野市の雑居ビルから一人の老人が転落死した。そして、その遺体の近くには「黒い天使」のトランプカードが……。事件性無し、として処理された事案ながら、刑事の諏訪はその事例を探るが、直後に異動を命じられる。その異動先は、日本初のカジノが作られた地。そして、そこは転落死した老人が通い、借金を作っていた地であった……
うーん……カジノが解禁され、その背後に様々な陰謀が存在している。さらに、そこに昨今、話題になっている無戸籍児の話とか、そういうのを絡めてくるとか、なるほどな~……と思うところはある。
国、自治体の財政基盤が危うくなっている中、カジノというのは復活の鍵となる。けれども、それは単に外国人観光客を呼ぶのではなくて、国民の側。特に福祉対象となる高齢者を積極的にカジノへと向かわせることにより……。しかも、そのための手段として、「脳の活性化による認知症予防」とか、ちょっと笑ってしまう部分もある。実際、それで任天堂のゲーム機が売れたりしたわけだしなぁ……(笑) 非常にスケールの大きな陰謀なのだけど、その一方で、こういうところでのディテールの細かさもあって、で、そういう意味ではかなり色々と調べて描かれた作品なのだろうと思う。
……思うのだけど、それだけディテールが凝っているからこそ、黒幕と言うか、この作品内で出てくる悪役には無理があるように感じる。生体認証とかが一般化した世界で、これだけ大胆な入れ替わりができるものだろうか?(生体認証がない現在でも、かなり難しい) また、その人物のギャンブルなどで勝てる、というような部分は完全にファンタジーの世界になってしまい、ディテールの細かさなどから浮いてしまっているようにも思えるし……
さらに、色々とスケールを大きくした割に、最後は中途半端な形での幕引きとなってしまいどうにも中途半端。先に書いたようにファンタジー要素が絡んでくるから余計に……。色々と調べたりしているのはわかるのだけど、諸々の要素が上手く噛み合っておらず、よさを打ち消しあってしまっているように思える。

No.3715

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村


スポンサーサイト



COMMENT 0