(書評)運命に愛されてごめんなさい。

著者:うわみくるま



我が校には運命力学に従い、毎週月曜日、転校生がやってくる。そして、その転校生は体育館の壇上で予言を言い渡す。その予言は、運命力学が指すところの運命の告白であり、それが外れたことはない。4月17日。今年度、3人目の転校生、四一七は予言した。「今月の末日に、生徒会長に座についているのは、2年3組の皐月純さんです」と……
第21回電撃小説大賞金賞受賞作。
ぶっちゃけ、設定とかそういうはかなりぶっ飛ばしている、というのは感じる。だって「運命力学」って何だよ? とか、そういうのはどうしたって思う。でも、逆に、それを主に考えなければこれはこれでアリじゃないかと思う。
物語は、冒頭にも書いたように「必ず当たる」予言により、生徒会長になる、といわれた純。しかし、現生徒会長の五十嵐優美は、その予言に反発し、純、そして、予言を告げたシイナ(四一七)を捉えようとする。一方で、そんな横暴な現生徒会長に反発する勢力は純に味方し、やがて、生徒会長の座を巡っての戦いへ……
と風に展開していくのだけど、それで生徒会長になって終わり、ではなく、その後がある、というのが一つの特徴。
こういう風に書いた時点でわかると思うけど、この作品を読んでいて、ある意味、戦乱の時代に、一大勢力を築きながらもそこに驕って滅びた武将を描いた歴史小説を読んでいるような気分になった。強大な敵と戦っているときは、カリスマ的な部分があるのだけど、いざ上に立つと今度は悪いところばかりが目立ってしまう、とか、そういうのはよくある話。意外と、そういう部分をしっかりと描いていると感じた。
ぶっちゃけ、女性陣をスク水ではべらせたりとか、結構、ゲスだし、エロでもあったりする。でも、これも実際の歴史とかでもあったんじゃないかな? とも思う。歴史小説とかで、そういうところが描かれないだけで……。実際、たくさんの女をはべらせていた、というような話はあるわけだしね。
ノリとか好き嫌いはあると思うのだけど、私はこういう作品、好き。

No.3728

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村



スポンサーサイト

COMMENT 0