（書評）下ネタという概念が存在しない退屈な世界９

著者：赤城大空



ＳＯＸ結成からほぼ一年。下ネタの開放は出来ぬまま、轟力先輩が卒業を迎える。しかし、その中で、性知識のなさゆえにアンナ先輩は傷つき、登校すらできない状態。一刻も早い下ネタの開放を目指すＳＯＸは、再び来日したアニーの手引きもあり、地下国会図書館に眠る、数多くのエログッズと、その利用者データを求め、潜入するが……
いや～……ぶっちゃけ、国会図書館に収録されているものを探すと、かなりヤバいものが多くありそうだなぁ……と思ってしまうのは私だけ？　コミケで出している同人誌は国会図書館に収蔵されている。ってことは、ねぇ……？（笑）
ということで、地下国会図書館という、一種のダンジョンにもぐりこんで、そこのエログッズやら、利用者データやらを、という話なのだけど、いよいよ物語としてはラスボス登場！　と言った趣。
図書館の管理人として、狸吉の前に現れた女性・藻女。複雑怪奇な地下国会図書館を案内し、さらには協力を言う。しかし、その発想は、穏健な中での下ネタの開放を目指すＳＯＸとは異なり、一気の開放を目指す。しかも、そのやり方というのはむしろ、一気に性知識を規制し、そして、出生率を０にまでしてしまうこと。そうすれば、その状況の悪化から、その反動が出るはず。そのためには多少の犠牲はやむをえない……。しかも、その思惑の裏に、実は公序良俗健全育成法が大きく横たわっている……
まぁ、いつものことながら地の文がアレなので、ふざけた話ではあるんだけど……今回の話見ていると、大学時代の政治学の授業を思い出して仕方がなかったんだけど（笑）　極端な方法で革命をした国は、その成果も大きく出る。しかし、一方で、その大きな反動に悩まされる……なんていうのをね。勿論、実際の革命とかでも、それによって大きく問題を抱えてしまった人とかも多いのだろうし……
まぁ、この藻女さんとの対決、そして、テロの結末……。そんなところにも注目する段階まで来たように感じられてならない。

Ｎｏ．３７５９


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