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(書評)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか7

著者:大森藤ノ



アポロン・ファミリアとの「ウォーゲーム」を制し、新たな眷属も増えたヘスティア・ファミリア。そのような中、新たにファミリアに加わった命と共に向かった先で、ベルははぐれてしまう。そこは、イシュタル・ファミリアが収める「夜の街」。そして、そこで極東の国から買われた少女・春姫と出会う……
あとがきで、著者が、プロットを出したら編集者から「劇場版みたいですね」といわれた、というエピソードを披露しているのだが、まさにそんな感じ。そもそもの頁数が過去と比べて多いし、また、雰囲気も過去と違う。そもそも、この巻にはアイズは登場しないし、ヘスティアとかもあまり出番がなかったし。
この巻のエピソードはかなりシンプル。新たにファミリアに加わった命と旧知の仲である貴族の娘・春姫。彼女は、現在、オラリアの夜の街の娼婦となっていた。そして、そんな彼女を助けたいと、ベルは考える。一方、イシュタル・ファミリアは、イシュタル・ファミリアである目的があって……
娼婦でありながら、同時に冒険者でもあるイシュタル・ファミリアの面々。特に、その中でも、レベル6という突出した実力を持ちつつ、風貌には恵まれず、男を色々な意味で「食う」フリュネとか、怖すぎる(笑) また、そんなフリュネとは別の実力者・アイシャなども魅力的ではある。そして、ベル君を狙う女神・フレイヤに対抗心を燃やす「美の女神」イシュタルも……
そういう意味で、敵方のキャラクターも十分に魅力的だと思う。
ただ……正直、480頁あまりの分量を費やした割には話が進んでいないなぁ、という感じもする。特に、この巻は、筋がシンプルなだけに。また、アイズに憧れているはずのベル君が、春姫を、というのもちょっと説得力が不足していると思う。そういう点はマイナスだろう。
ただ、フレイヤ・ファミリアの掘り下げとか、そういう意味では十分な意味があり、そこをどう評価するのか、ということになる気がしないでもない。

No.3804

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