(書評)SとSの不埒な同盟

著者:野村美月



芸術音痴でありながら美術部に入部した真田大輝。彼の目的は、美術室から見える合奏部の部員・美園千冬を心行くまで鑑賞するため。そんな彼の「鑑賞部」としての活動をしているとき、同じようなことをする女生徒が……。ラピスラズリのような蒼く深い瞳を持つ少女・藍本ルチア。大輝は、彼女もまた、自分の同志ではないかと気付いて……
なんか、根本的には色々と間違っているんだよな、これ……(笑)
タイトルに「S」とあるように、大輝にしても、ルチアにしても基本的には「S」な性癖。もっと言うなら、「鑑賞部」として観照する対象は、どちらも儚げで、そして彼らの嗜虐心をそそる、という相手。早い話が、苛めたくなるような相手、というわけ。そして、互いに同じような存在だと知った大輝とルチアは、それぞれの想い人と上手くいくように協力し合うようになっていく……
と言っても、実は冒頭のエピソードで大輝は上手くいきかけていたのに、なぜかルチアに合わせて(?)相手を振る、というところからスタート。明らかに間違っている(笑)
そして、そこが掛け違いのスタートになり、新米教師を狙うルチアと、それに協力……というはずなのに、なぜか大輝が両刀使い疑惑が出たり何なり……
これまで読んだ著者の作品って、キャラクターの関係性をメインにシリアスなストーリーで進むタイプの作品と、掛け合いとかギャグ主体で進むものがあるように思う。前者は『文学少女』シリーズとか、『ヒカルが地球にいた頃……』とかで、後者は『ドレスな僕が~』シリーズなど。その観点で言うと、今のところは後者っぽい印象があるのだけど……それでも、一応、今回のラストシーンで一つ、物語が進展するきっかけが出てきて……で、前者の方に振れそうな気もする。
別に先入観を持って読んでいる、というわけではないのだけど、どういうスタンスで読むべきなのかちょっと迷うところ(いや、別に面白いと感じるなら何でも良いのだけど)

No.3806

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