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(書評)毒草師 七夕の雨闇

著者:高田崇史



京都の神社で、演能の準備中であった能の宗家が急死する。「毒を……」そう言い残したものの、毒物は特定できず、摂取経路も不明。そして、次なる事件が……。毒草師・御名形史紋は、京都へ向かう。そして、事件に横たわるのは、「七夕」に隠された秘密……
2年ぶりに読んだシリーズ第4作。
なんか、久々ってこともあるんだけど、キャラクター小説的な部分でまず楽しんだ。過去の作品の印象と比べても大分、アホの子になったような気がする。もう史紋に完全に呆れられているし。一方で、史紋は、というと……何か、彼の操縦方法って判明してない?(笑) だって、『QED』シリーズの崇とか、奈々とかをにおわせると、毎回、明らかに反応を示して話とかもそこで一気にスッキリする(笑) うん、史紋の発言に困ったら、崇の存在を匂わせるといいと思うよ(ぉぃ)
で、今回のテーマはタイトルの通り「七夕」。織姫、彦星というのは一体、何なのか? なぜ、笹なのか? 金銀砂子?
著者のいくつかのシリーズを読んでいると、本作に出てくるそれぞれのピースというのはいつものピースという感じではある。まぁ、本作に登場する西田とかにとっては新発見なのだろうけど、私にとってはどちらかと言うと、いつものピースを使って、どのように七夕を解釈するのか? というような解説を読んでいる気分だった。それはそれでちゃんと解釈されているので、良いのだけど。
ただ……相変わらず、殺人事件の方が強引な感じ。そもそも、本作の事件の場合、史紋たちが事件に殆ど絡んでいないので、余計に必要だったか? という感じがしてしまう。また、連続殺人の理由が、忌まわしき家の秘密……なんだけど、さすがにこれだけ続いていた家っていうのは無理がある。
歴史解釈、キャラクター性。その辺りは良いけど、事件は無理矢理(何度となく、無理に殺人入れなくて良いのに、とか何度も感想に書いた気がする)
全てをあわせて、著者の作品を読んだな、という感覚を思い出した。

No.3810

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