(書評)ヒア・カムズ・ザ・サン 東京バンドワゴン

著者:小路幸也



お盆を過ぎても、まだまだ暑さの残る下町。そんな中、古書店である東京バンドワゴンでは、幽霊が出る? というような噂が。そんなとき、遺品整理をしている、という男性が、身寄りのない男性がかつて、東京バンドワゴンで購入した、という本を持ってきて……(『夏 猫も杓子も八百万』)
など、東京バンドワゴンでの1年を追ったシリーズ第9作(番外編を含めれば10作)
このシリーズは、本当、毎回、年月の積み重ね、というのを感じるシリーズなのだけどこれまで以上にそれを感じたかもしれない。
冒頭にも書いた『夏』の話。物語の中心になっているのは、遺品整理をしている男性が持ってきた本の真相、というあたりなのだけど、むしろその脇になる幽霊騒動が大きな意味を持ってくる。東京バンドワゴンの中で起こる本などが移動しているなどの事件。そして、様子のおかしいノラと玉三郎という2匹の猫。うちのブログの左上に写真載せているけど、私自身、猫をずっと飼っていた身なので「そうか……」という感じ。雰囲気は変わらなくとも、そこで生きる人は移り変わっている。それが、この作品の特徴だったな、というのを思い出した。
そのような中、物語の中で最も大きなウェイトを占めているのが前作から続いての研人の進路。
恋人である芽莉衣と同じ学校へ行くために受験勉強を続ける研人。それぞれの季節で、それぞれの事件が起きる中、常に、そんなことが綴られ、そして、その結果が出た春……。うん……ハードボイルドっぽい研人の態度だけど、それをやられる側はたまったものじゃない! そんなメッセージを強く感じるこの結末。でも、そこまで行くのは、長年、ある種、肝っ玉母さん的な、この作品の女性陣のキャラクターが固まっているっていうのが大きいのだろうな。
ぶっちゃけ、マンネリっちゃあマンネリではある(笑) でも、それを続けるっていうことが大事なんだろうな、とも思う。安心のオリティという感じがする。

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COMMENT 2

苗坊  2015, 10. 18 [Sun] 16:53

こんばんは^^お久しぶりです。
堀田家に1年に1度会うのがとても楽しみです。
確かにマンネリ化しているとも思いますが、この作品はもうこういう形でいいんじゃないかなと思います^m^
近所にいる子供の成長を見守るおばちゃんポジションでいつも読んでます。今回も癒されて読み終えました。
花陽と研人が大きくなりましたねぇ…

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たこやき  2015, 10. 21 [Wed] 00:41

苗坊さんへ

こんばんは、お久しぶりです。

1年に1度、本当、恒例行事みたいな感じになってきました。私も、すっかり親戚のおじさん状態です(笑)

>確かにマンネリ化しているとも思いますが、この作品はもうこういう形でいいんじゃないかなと思います^m^

逆に、それが大事なのかも、と思います。
研人とか、なんか、親戚の子供みたいな感じですもん(笑)

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