(書評)マグダラで眠れ7

著者:支倉凍砂



天使の記録を追い、クースラたちが向かったのは、太陽を召喚し、一晩で街が滅んだと言われるアッバス。旅の最中に出会った面々に心地よさを感じつつ向かった先で出会ったのは書籍商・フィル。異端審問官・アブレアの足跡を辿るフィルもまた、「太陽の欠片」を探っており、そこで目をつけたのは「白い悪魔の生け贄の儀式」。伝説の真相に近づいていくクースラたちだったが……
あとがきで書かれていたのだけど、このシリーズが刊行されたのって実に1年ぶりなんだよね。他のシリーズとかが刊行されていたので、あまり気付かなかったけれども……。そして、スピンオフだけどあまり繋がりを感じなかった『少女は書架の海で眠る』の主人公であるフィルが登場したりとか、一気に繋がった感じ。……というか、フィル、太ったなぁ(笑)
で、物語としては、これまでで最も順調に進む展開、といえるんじゃないだろうか? アッバスの街につき、そこで「太陽の欠片」について探る。それだけでは難しいそれだが、フィルとの合流により「白い悪魔」の伝説というヒントに出会い。そして、そのヒントを元に、足がかりを手に入れる。そして……
ここまでの物語だと、どちらかと言うと調査を進める中で、教会やら騎士団やらと言った勢力の渦に巻き込まれて……となっていたわけで、それと比べると順調そのもの。ところが、それが判明したと思った矢先……やっぱり、勢力の争いが大きな意味を持ってくる。しかも、仲間と思っていた存在の裏切りによって……
そんな後半からの急展開っていうのも見所なのだろうけど、やっぱり、この巻の肝は「技術」「道具」というものはどういうものなのか? というメッセージじゃないかと思う。「太陽の欠片」という強力な武器となるものを発見し、そして、それを裏切りによって奪われ窮地に立たされたクースラ。それを挽回するためには、やはり「太陽の欠片」。発見したそれの欠点。それを補うものがあればさらに……。技術、道具、それは発見したら終わりではない。それをさらに研鑽することにより、より強力に、より便利に……。そういうものを、実感として感じられるのはやはり凄いな、と感じる。

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