(書評)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか8

著者:大森藤ノ



王国軍出兵。突如、軍神アレス率いる王国軍は、迷宮都市へと襲撃する。3万の兵達が迫る中、町は……全く何も変わっていないかった。強すぎる冒険者達による市壁の外での戦いの最中、市内で起こる6つの物語。
ということで、ベル君の冒険ではなく、その周囲の人々のエピソードを綴った短編集。と言っても、それぞれ50頁から80頁くらいというなかなかのボリュームなのだけど。
あとがきで、著者が「ラブコメは奥が深い」と書いているのだけど、まさにラブコメ集という趣。っていうか、皆、誰かに恋しているんだなぁ……
直接、ベル君に関係がない、という意味では、1編目と3編目。パスパレード、ウォーゲームを経て、ヘスティアファミリアに入った命。しかし、彼女の心は、ずっと以前に所属していたタケミカヅチに……という1編目。ここまでの描かれ方では、生真面目という印象の命が、タケミカヅチに惹かれ、また、その言動にやきもきしている、っていうのは意外な感じだった。一方の3編目は、同じようにファミリアを飛び出してヘスティアの下へ参じたヴェルフ。こちらの場合、恋というのか、それとも主神の「鍛冶師」としての腕に、なのかはわからないけど……。ただ、魔剣を、というのとは別の、職人としての壁、それを乗り越えたいという欲が上手く描かれていたと思う。
キャラクターの掘り下げ、という意味で意外だったのはロキファミリアのリーダー・フィル。まさか、40歳以上だったとは……(違) 物語としては、リリの方がメインではあるのだけど、大きな目標を持ち、それだけのために全てを捨ててでも進もうとするフィルの姿勢の方が印象に残ったかな、と。
アレス軍の侵攻とか、そういうものが大きく影響するのはヘスティアを描いた6編目。ヘスティアを誘拐しようとしたアレス軍。その中でともに森の中の村へとたどり着き、そして、そこの祭に……。ここまでが、どちらかというと、冒険者が主神に、という展開が多かっただけに、以前から、ヘスティアがベルに想いを抱いているけど……っていうのがあるけど、ある意味では悲願成就といったところ。……オチはあるんだけどね(笑)
ただ、そろそろ、ガッツリ、ダンジョン探索をやってほしいところ。

No.3853

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