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(書評)六とん3

著者:蘇部健一

六とん3 (講談社ノベルス ソB- 7)六とん3 (講談社ノベルス ソB- 7)
(2007/05/10)
蘇部 健一

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脱力ミステリ『六枚のとんかつ』シリーズ第3弾の短編集。
うーん…カバーや巻末の著者の言葉じゃないけど、やっぱり著者は『六枚のとんかつ』の呪縛とでも言うべきものに囚われているような気がする、というのがまず感じたこと。
前巻、『六とん2』は、洗練された分、おとなしくなってしまって却って物足りなさを覚えた、というような感想を書いたわけなのだが、本作はそういう反応があったためか、『アリバイの死角』とか、『×××殺人事件』とか、下品な作品は多い。ただ、何ていうか…「下品なだけ」で、脱力加減とか、そういうところはやはり弱い。また、後半は前作で評判の良かった『きみがくれたメロディ』のようなタイプの作品が多いのだが…うーん…。なんか、評判の良い作品を踏襲しよう、と狙いすぎて外している感じがしてならない。
そういう意味では、むしろ、ただひたすらにバカバカしくしてくれた『殺ったのはだれだ!?』とか、アイロニーの効いた連鎖と結末のある『嘘と真実』とかの方が好き。バカミス、脱力とか、ともちょっと違うんだけど、変に他作品に囚われていない、という辺りでも楽しめる。
これ、売る側とすればシリーズとして、の方が見込める、ということもあるんだろうけど(実際、私もこうやって手にとってしまったわけだし)、あまりにそれを意識し過ぎて自縛状態になっているんじゃなかろうか? とちょっと心配になってしまった。

通算1229冊目

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