(書評)ボーパルバニー

著者:江波光則



ある日、仲間の一人が路地裏で首を切られて死に、もう一人が行方不明になった。心当たりは、勿論、ある。そして、それと時を同じくして街には不穏な噂が流れ始める。――バニーガールが殺しに来る、と。
著者は、ガガガ文庫以外でも、ハヤカワ文庫JAとか、星海社FICTIONなどで作品を発表している人。実際、表紙はラノベっぽいけど、内容はラノベじゃないだろ、これ。
物語は、文字通り、殺しにやってくるバニーガールと、狙われる側の少年達との攻防を描いた作品といえる。3年前、中国人マフィア同士の抗争の間隙をついて3億円を奪った少年達。明らかに、彼らを狙っているバニーガールは、そのことが原因と思われる。そして、そんな少年達……
その金を持ち、それゆえに尊大な自我を保ち続けることが目的な玻瑠人。金よりも、ただ、銃を使って人を殺すことに快感を覚える燐華。己の肉体で、相手を圧倒し、叩き潰すことに快感を見出す龍童。彼らのリーダー格で、警察内部にもコネが効くからこそ、その非合法な活動にスリルを見出す怜。そして、そんな彼らの生き方にある種の憧れを抱く銘次。それぞれが、それぞれに、一種の破滅願望を抱き、その願望の通りに死んでいく……
そして、その一方で、殺しにやってくるバニーガールの側にも、ある種、それと共通したものがあって……
バニーガールの存在とか、そういうところにフィクションというか、ファンタジーがある、というのは確か。でも、それ以外に関しては……。破滅願望を持った、裏社会の人間同士が、その願望に突き動かされるように行動し、そして、その願い通りに死を迎える。これって、一種のノワール小説とか、そういうのによくある題材。何か、ラノベじゃなくて、そういう作品を読んでいる気分になった。まぁ、そこまでエグい描写とかはないけれども、展開とかがね。
うん、嫌いじゃない。
でも、こういったレーベルの作品のそれとは作風がちょっと違っているかも、と思えたり。

No.3870

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