(書評)はてな☆イリュージョン4

著者:松智洋



グレゴリー師匠に弟子入りした真。しかし、兄弟子であるディナには認めらない日々を送っていた。一方、はてなもまた、試験をクリアし、怪盗としてアーティファクト回収の参加を認められた。そんな中、3つのアーティファクトを集めれば、メイヴが日本に帰れるとなり、俄然、はてなは張り切るのだが……
ということで、ディナのお当番回。っていうか、カラーイラストで、盛大に、それも色々とアレな意味でネタバレかましているのはどーなんだろう?(笑)
正直、序盤はどちらかというと日常回。それも、夏休みで何かをするわけでもない。さらに、怪盗としての行動、といいつつも、手がかりさえ見つからず、何も見つからないからやることがない、というかなり酷い意味での。その中で特に大きく割かれるディナと真の確執。
まぁ、作中、アーティファクトの存在について唯一知らない存在であるディナ。ディナが、生真面目に、という家庭の事情とか、そういうところは読者は語られるまでわからないとしても、そうでなくとも、自分の師匠に弟子入りし、一心不乱に修行に励むディナ。そして、それに対し、(本当はアーティファクトでやっているけど)師匠である衛についているわけでもなく、さらに、衛の公演を見学すらしない真に怒る。……そりゃ、そうだよね。
でもその一方で、あまりに一直線で、奇術のテクニックを、というところに拘るディナに危ういものを感じるグレゴリーたち。これもわからないではない。
そんな中で起きたアーティファクト回収を巡る騒動で……
勿論、シリーズ展開としては、敵対する存在とか、そういうのが出てきたりするんだけど、ここまでのエピソードを見ていて最も思うのは、このシリーズって、真、はてな、夢未、エマ、そして、ディナ。まだまだ「子供」の世代を見守る親の視線というのに溢れているシリーズだ、というのを強く感じた。前巻のエマもそうなのだけど、基本的に、物事を完璧にこなしている子供世代。でも、その中の脆さ、危うさのようなものを描き、それを暖かく包み込んで纏め上げる、という話が続いているため。この巻のラストなんかは、まさに、それだったんじゃないか、と思わずにはいられなかった。

No.3878

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