(書評)宇宙人の村へようこそ 四之村農業高校探偵部は見た!

著者:松屋大好



四之村を知っている人は少ない。ネットで検索しても、まずヒットしない。まるで、意図的に隠蔽されているかのように。母の都合により、突如、四之村へと引っ越したぼく、神室圭治は、その理由をはっきりと理解した。あまりにも独特すぎるのだ。現代社会から100年以上進んでいるかのような数学理論、独特の風習。そして、そんな村の人々を探偵部部長のハコさんは言う。「この村の人は宇宙人なのよ」と……
なんか、コメントが難しい作品だなぁ、というのがまず最初に浮かんだ感想。
村は、八家という長老の一族が仕切っており、それぞれの中での縄張り争いも多々。村で事件が起きたときも、警察が操作できるのは境界線上でのみであり、あとは、それぞれの土地を支配する存在が捜査する。そして、そんな村で起きる事件と、その捜査を描く。
……のだけど……何か、世界観ありきで、しかも、その世界観が突飛な上に、各章でカラーとかがまるで違うため、どういう作品か、というと……となってしまうのだ。
例えば、1編目。ある意味、世界観の説明もあるんだけど、物語は学校近くの畑で失血死した男性を発見。彼は、農業技術の優れた研究者であったが、しかし、同時にその業績を隠匿したためにうらまれてもいた。そんな彼はどうして死んだのか……。わかるかーい!! もう、思いっきり明後日の方向である意味、愕然。まあ、ここまでぶっ飛んでいると面白いんだけど。
第3章は、村で広がる「舌切り雀」のつづらの噂。それを調べていると、奇妙な場所へたどり着いて……。こちらはホラーテイストの話。一方で、第5章は、ある意味、農業と動物愛護のせめぎあい。ブラックジョーク的なカラーの話は面白かった。
正直、何か「ここは特別な村だから」「宇宙人だから」で済まされている感はあるし、また、村全体の設定とか、そういうのもよくわからない部分も多い。ついでに、ヒロインであるハコについても設定だけだしてぶん投げた感あり。そういう意味では「何なの?」と思うところ多々。しかし、それでも予想外の答えを楽しむ、ということは出来た気がする。

No.3881

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