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(書評)イキガミステイエス 魂は命を尽くさず、神は生を尽くさず。

著者:沖永融明

イキガミステイエス  魂は命を尽くさず、神は生を尽くさず。 (富士見ミステリー文庫 84-1)イキガミステイエス 魂は命を尽くさず、神は生を尽くさず。 (富士見ミステリー文庫 84-1)
(2008/04/19)
沖永 融明

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両親を喪い、ADHDを抱える妹・一樹と暮らしてきた大悟。だが、その妹は、白血病に…。次の誕生日に、自分のための絵本を描いて欲しい、と言う妹の頼みを聞くことにした矢先、目の前の全ての色が消え、「生神」を名乗る者が現れる…。
うーん、何て言えば良いのだろう…。第6回ヤングミステリー大賞奨励賞の受賞作、ということなのだが、そういう形で、でもデビューさせたかった編集部の思惑はわかる。そして、一方で大賞というには、色々と粗さが残っている、というのも。
とにかく、作中に様々な要素がちりばめられている。ADHD、白血病という現実的な要素。そして、「生神」や霊能力者といった要素。そして、謎の事件。そういうものを散りばめながら(多少、粗さはあるにせよ)読ませるだけの「力」があって、またまとめてくる、というのだから。
「生神」によって、自分の死を知らされた大悟。しかし、その「生神」によって猶予を貰う。その猶予を、一樹のための絵本作りに賭ける大悟。そして、そんな大悟を想う者…。一方で、一樹にぶつかる悪意…。
正直、霊能者とかあの辺りの要素はそこまで必要だったかな?(個人的には、ないほうがスッキリしたんじゃないか、とか思う) とか、そういう部分はあるものの、「力」のある作品だな、というのを何よりも感じた。

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