(書評)ホーンテッド・キャンパス この子のななつのお祝いに

著者:櫛木理宇



副部長である藍の卒業を祝い、温泉旅行へと向かったオカルト研の面々。ところが、道中、猛吹雪にあってしまい、やむなく道中の秘境の宿へ向かうことに。宿の雰囲気は最高だが、「霊が視える」体質である森司は、粗末な服を着た子供の霊を目撃する。気にせず、こよみらとの旅を楽しもうと思う森司だったが、村は孤立してしまい……
シリーズ8作目にして、初の長編。
なんか、これまでの作品とちょっと雰囲気が違うかな? という感じ。勿論、それは、長編だから、というのもあるのだけど、これまでの作品は、基本、オカルト研に相談が持ち込まれ、それに首を突っ込んで……という話。しかし、本作は偶然、足を伸ばした村で、奇妙な出来事に遭遇する、という形で物語が始まる。
近くに霊が沢山いることはわかっている。また、村では奇妙な風習、因縁がある。しかし、あくまでも部外者だからと、ただ宿での時間を過ごすオカルト研の面々。しかし、村はどんどん孤立を深め、さらに、風習、因縁はますます混迷を極め、やがて、トラブルの種が増えていく……。そうなった結果……
雰囲気としては、どちらかと言うと、横溝正史とか、そういう雰囲気。心霊現象とかが当然に起きている、という前提はあるけど、こじれにじれた村の発端はどこにあり、どうすれば良いのか? というところを探っていくのはミステリ作品のそれ。そして、ホラーというほどには、恐怖とか、そういうものを押し出した感じはなかった。いつものこと、と言えば、いつものことなのだけど、長編になり、より、そういう雰囲気を強く感じた。
ただ……正直、村の人間関係とか、そういうのがかなり複雑で、なおかつ、多くの人物に似たような境遇とかがあるので紛らわしい、と感じるところも多かったりする。これまでの短編では、登場人物も最小限に抑えられてきたのと対照的、というか……
もう少し、そのあたりの描きわけとか、そういうのが欲しかった、かな?

No.3882

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