(書評)白蝶記 どうやって獄を破り、どうすれば君が笑うのか

著者:るーすぼーい



雪深い山中の村にある児童養護施設で育った旭と樹、陽咲。宗教団体が運営する監獄のようなそこで、つらい日々を送る旭にとっての救いは陽咲の明るさ。そんな旭たちに悪意を向け、執拗に痛めつける指導職員・小倉。悪意に反攻する旭だが、その小倉によって「懲罰房」行きになった樹、そして、陽咲にも、という中、旭は決意を固め……
PCゲームのシナリオライターである著者の、小説デビュー作ということなのだけど……別にライトノベルレーベルでなくても出せそうな内容だな、とまず思った。
冒頭に書いたように、宗教団体によって運営された村。そして、その団体が運営する児童養護施設。その中では悪質な職員である小倉により、旭、樹は執拗に攻撃されていた。反抗をしても、それを理由に更なる嫌がらせをする小倉。そして、病弱な樹が懲罰房入り、そして、そのまま重篤な病になり入院することに。さらに陽咲に対しての態度を見ていると、彼女を……という様子さえ伺える。樹の復讐のため、そして、陽咲を守るため、旭は、小倉を殺すことを決意する……
いざ、計画通りに小倉を殺すことに成功。しかし、それと前後するように、旭を引き取りたいという「母」からの手紙が届くようになり、陽咲との関係にすれ違いが生じていく。対して、その小倉の死に不信感を抱き、旭に注意を向ける教団幹部の時任。陽咲を守るための行動だったのに……というすれ違いと、時任に一歩一歩追い詰められていく緊張感はかなり読み応えがある。帯では、ひっくり返しを強調しているけど、個人的にはこちらこそメインだと思う。
そのひっくり返しについて言うと、確かに、なるほど、とは思うのだけどなかったからと言って決して作品としての完成度が落ちたとは思わない。と、同時に、ラストシーンは……なんだったのだろう? なんか、最後の最後で、「?」という感じになってしまったのだが……
これって、続編も、ってことなのかなぁ? 個人的には、これで終わって良いと思うのだけど。

No.3887

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