(書評)Arknoah2 ドラゴンファイア

著者:乙一



歯並びが悪いことで周囲から笑われていた少女・マリナは、ある日、納屋で一冊の本を見つける。そして、気付くとその本『アークノア』に迷い込んでしまう。その頃、アークたちは、砂漠を横断していた。マリナによって生み出された怪物である巨大な竜を倒すために……
ということで、シリーズ第2作。前作を読んだのが、2013年10月なので2年ぶり。流石に、しばらくは設定とかを思い出すのに時間が掛かった。
前巻で倒すことになったアールの弟・グレイの作り出した怪物・巨大な猿、は、とにかく凶暴で圧倒的な力を誇る存在。それを倒す、というのは必要だ、という風にしか思えない存在。ところが、今度の怪物である竜は……
確かに、前巻の猿と同じく圧倒的な破壊力を持つ存在。しかし、ところ構わず、破壊をするわけではなく、また、生みの親であるマリアを守る存在でもある。そして、何よりも、現実の世界では、周囲から浮いた存在として攻撃される対象となっていたマリナにとって、様々な生物が存在し、それらがごくごく自然に、そして平等に生活しているアークノアは自分の住むべき場所とすら感じる。そして、そのためにドラゴンに破壊をさせることもない。そんな彼女に同情するアール。しかし、ハンマーガールたるリゼにとって、それは許されざること……
アークノアの世界そのものが、創造主によって作られた世界。そして、アールやマリナの作った「怪物」は、その世界を破壊する存在。つまり、相容れない存在。だから、排除せねばならない……。前巻のグレイの怪物とは違い、決して破壊しようとしない存在だからこそ、アークノアの世界の閉鎖性というか、その世界の「平等」とかの基準の弱さみたいなものを強く感じる。
そして、その結末……。ある意味、最も効率のよい方法を選んだリゼ。しかし、それによって、リゼとアールに決定的な溝が……。さらに、エピローグでグレイが発見した現実世界でのアークノア関係者の名前……。
……と、凄くこの結末が気になるので、早いところ最終巻をお願いします、乙一様……

No.3891

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