(書評)レイカ3 警視庁刑事部捜査零課

著者:樹のえる



連続殺人犯により姉を殺され、首を持ち去られた。長年のその事件の犯人を追う女性刑事・レイカ。そんな彼女達の前で起きた女子大生殺害事件。犯人は逮捕されるものの、その首が何者かに奪い去られた事件は、かつての事件と関連があるのではないか、とレイカは疑い始める。そんなとき、巨大な犬が犯罪者を殺害する、という事件が起きて……(『ワイルドアサシン』)
と、一応、2編の中編集的な構成になっているのだけど、全てが最終的に繋がるので長編的な要素も大きなシリーズ完結編。
まずは1編目の『ワイルドアサシン』。正直、最後のエピソードよりも、こちらの方が好き(ぉぃ)
先にも書いたように、人が連続して犬に殺される、という事件が発生。しかも、その被害者は犯罪を犯した過去がある。なぜ、その犬は犯罪者を見分けることが出来るのか? そして、犯罪者を犬が裁いている、という中で、ネットでは警察よりも犬を賞賛する声まで出始める。そんな中で突き止めた犬の正体と、その犬に対してレイカたちが取ったのは……
心情的には、犬、その飼い主に寄り添いたくなるし、でも、それは本当に犬にとって良いことなのだろうか? 飼い主にとっては? そのあたりの切なさを含めたまとめ方がかなり好き。
そして、完結編となった永遠の華。先のエピソードにも現れた碇が、レイカの姉と知り合いだった。そして、生前の姉、さらに首を持ち去られた女子大生についての情報を調べる中で浮かび上がる美容整形医の存在。碇なのか? それとも……?
一気に様々な情報が現れ、普段から周囲にいた人間が? という疑惑も浮かびつつどちらへ転がるかわからない緊張感はなかなか。そして、いざ、犯人が判明したとき、レイカはどうするのか? という問いも……。この辺りは流石に引っ張っただけのことはある。
ただ……一方で、テンポは良いのだけど、最後の最後がかなりアッサリと終わってしまった感じもある。そして、終わってから見ると、被害者の間にこれだけつながりがあったら警察も注目するんじゃなかろうか? という思いもある。いや、かなり後付で言っているのはわかるんだけど……
でも、シリーズを通して楽しめたのは間違いないし、終盤の緊張感もかなりのもの。面白かった。

No.3914

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