(書評)姉と妹の下着事情。

著者:柚本悠斗



「我が妹、羽織の婿になってくれ!」 女性の胸を愛し、下着デザイナーとなるべく、被服技術の向上に努める高校生・創真彰人は、地元の老舗呉服店である服部呉服店の現当主であり、被服部の次期部長である羽織の姉である服部振袖からなぜか永久就職を勧められる。そんな時、服部姉妹の末妹である七緒と最悪の出会いをしてしまうのだが……
第7回GA文庫大賞奨励賞受賞作。
なんていうか……「女性の胸が大好きだ!」と公言して憚らない主人公だと相当アホな話になるかと思ったのだけど……実はかなり真面目な話だった。というか、作中でも出ているけど、髪の毛が大好きで美容師になる人がいる。それとどう違うのか? というのはその通りなんだよな……
物語は、七緒から取引を持ち込まれることから始まる。それは、羽織との関係を応援する替わりに、自分に協力して欲しい、というもの。そして、その協力と言うのは、七緒がモデルとしてデビューすることを手伝うこと。しかも、そのことについて振袖からは強い反対をされており、姉妹の仲はよろしくない。そのような中で……
彰人は、羽織のためのドレスを作っており、その過程で、彼女にピッタリのブラジャーを作りたい。しかし、そのことを切り出すと、もっと仲良くなってから、と返される。そのためには……。その意味では、利害が一致。でも……
七緒のコンプレックスって相当に根強いのだろうと思う。長女の振袖は、経営者としての資質に溢れている。次女の羽織は、被服の技術に優れている。しかし、自分にはそれがない。それどころか、足を引っ張ってばかり。しかし、何とか実家の役に立ちたい。ならば、モデルになり、呉服店の宣伝になりたい。でも、それを全否定される……。そんな様子を見ているうちに、っていう彰人の気持ちって、凄く理解できるものだった。
まぁ、結構、テンプレな展開ではある。でも、下着が作りたい、という主人公のヘンテコな願いとかを上手く出して、ヒロインである七緒の劣等感と上手くリンクさせるのは上手い。無理がないもの。
正直、ポメ子の扱いって……とは思ったけど、それ以外については文句なし。面白かった。


No.3919

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村



スポンサーサイト

COMMENT 0