(書評)放送中です! にしおぎ街角ラジオ

著者:岬鷺宮



ナレーター、放送局のディレクター、ミュージシャンを目指し、挫折した3人。3人が、落ち込んでいるとき、その喫茶店のマスターが勧めてくれたのがミニFMをやってみないか? というもの。鬱屈を抱えながらも、それをやってみることにして……
ラジオか~……。最近、聞いていないなぁ(笑)
作品の中身に入る前にラジオとのかかわりで言うと、私は以前、ラジオ番組に投稿をする「ハガキ職人」をやっていたことがある。また、現在は、当然、アマチュアなんだけど、WEBラジオでほぼ毎週出て、アニメについて語っていたりする。そんな人間として、楽しく読むことが出来た。
著者が、かつて、ラジオ局でバイトをしていた、という告白に驚いたのだけど、いかにもありそうなシチュエーションにリアリティがあった。例えば、第1回放送で、キューのミスやら、フリートークがグダグダになってり、はたまた、曲名間違え……(笑) まぁ、素人がやることだけど酷いミス(笑) また、メールで送られた来たガチな相談に、メンバーが放送中に大喧嘩してみたり、食レポでコメントに窮してしまったり……。そういうシーンから、普段、目にしたり耳にしたりするそれらの「プロ」っぷりとかが感じられる、なんていうのはよくわかる。その一方で、ガチな相談に喧嘩をしてしまうような面々だからこそ、聞いてみたい、という気になるのもわかる。そういう意味では、自分もリスナーの一人みたいな感じだろうか?
その上で、ちょっと勿体無いな、と思うのは、全4編。270頁ほどの分量だ、ということ。
それぞれのエピソードは面白いのだけど、あまりにも順調に進みすぎている、と感じてしまうのだ。最初に書いたように、ミニFMは、電波法などの問題もあって周囲数百メートルしか電波が飛ばせない。しかも、放送時間も短い。知り合いなどに声をかけた、といっても、そんなに一気にリスナーが増えるか、というと……。もうちょっと、なかなかリスナーらが増えない葛藤とか、そういうのも読んでみたかった。ぶっちゃけ、自分が出ているWEBラジオとか、はたまた同人サークルとか、そのあたりの壁にぶち当たっているもので。
うん、面白かった。

No.3938

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