(書評)愚物語

著者:西尾維新



老倉育、神原駿河、斧乃木余接。3人の「その後」の話を描いた短編集。
これまでの物語では、どちらかと言うと1巻を使って1つのエピソードだったのが、今回はかなり純粋な短編エピソード。ただ、ちょっとした謎などは残っており「オフシーズン」のプロローグってのもあるんだろうな。
老倉のその後を描いた1編目。
引きこもり状態にあった老倉を引き取った老夫婦の下、新しい高校へと編入した育。残り僅かな期間とは言え、孤立した状態ではキツい。そこで、クラスで孤立気味の一人の少女に目をつけ、接近をはかるのだが……
怪異、とか、そういうものが一つのテーマになっているこのシリーズなのだけど、とりあえず、このピソードではそれらしきものは出てこない。老倉の転校先にあった微妙な人間関係。そして、その関係に思わぬ形で入り込んでしまうことになってしまって……。なんか、ごくごく普通の青春小説にありそうな物語。んでもって……ぶっちゃけ、すっごく読みづらい物語(笑)
とにかく、老倉視点の、老倉が一人語する形なんだけど、話があっちこっちに飛ぶわ何やらで読みづらい。150頁ほどあるんだけど、多分、普通に書いていたら3分の1くらいの分量なんじゃないかと思う。
2編目は、部屋掃除をしている最中に、襖を壊してしまった駿河。そこには母の書いたと思しき暗号が……。後輩である忍野扇と、その解読を試みて……
とりあえず、扇くんの掃除っぷりが格好良すぎる。足の踏み場がないなら、踏み潰せ! その発想はないわ! そして、その中での暗号解読。暗号自体は、結構、小粒なのだけど、捻くれた暗号に代表される駿河母の人間性が印象的。そして、これ、今後への伏線だろうしなぁ……
で、3編目が斧乃木余接。
このエピソードは、作品の紹介文などでも出てくる話なのだけど、命がけの戦いと言っても、ちょっとしたミスでにっちもさっちもいかなくなって……という話。そのミスというのは、不死鳥たる月火の部屋に、人形として潜入調査をしていた余接が、実は動けることがバレてしまう。そこで、苦し紛れに、「自分は魔法少女で~」と言ったら、月火は食いつっちゃって……と。
3編とも、結構、しょーもないミスとかがある、ってこともあってこのタイトルなのだろうけど、全体的には落ち着いた雰囲気の短編集になっていたかな? と感じる。

No.3958

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