(書評)雨の日も神様を相撲を

著者:城平京



相撲好きの両親の下、子供の頃から相撲漬けの日々を送ってきた文季。両親の突然の死により、叔父の住む田舎町へと越してきたのだが、そこは相撲好きのカエルの神様が崇められている村だった! そして、村を治める一族の娘・真夏と知り合い、神様であるカエルの相撲の手伝いをすることになって……?
物凄く独特な作品。
著者というと『虚構推理』とか、はたまたアニメなどにもなった『絶園のテンペスト』といっちょっと変わった推理モノという印象があるのだけど、それともちょっと違った物語に。一応、途中、殺人事件とかは出てくるのだけど、そこがメインという感じでもないし。
冒頭に書いたように、両親が相撲好きで、幼い頃から相撲漬けの日々を送っていた文季。しかし、体格には恵まれず、両親の死で、それは終わったかに思えた。ところが、引き取られた叔父の住む村は、相撲を捧げるという習慣がある。そして、その相撲漬けの日々で培った知識で、周囲の面々にアドバイスを送る中、まさか、神様であるカエルの相撲まで手助けすることになる……
神様であるカエルが破りたい相手は、外国からやってきたヤドクガエル。決して体格が大きいわけではないのだけど、その名の通り、少しずつ毒を発し、長い時間が経過すると日本のカエルたちは毒で力を出せなくなってしまう。それを何とか……
人間とはそもそも骨格やら筋肉が異なるカエル。人間の大相撲のように押し出しや寄りきりなどではなく、どちらかというと昔の相撲とか、モンゴル相撲のような形の相撲。挙句、カエルたちは決して努力家とか、そういうわけでもない。そんなカエルたちとのやりとりというのが何ともユーモラスで印象的。一方で、村で起きた殺人事件も絡んでいってやがて……
終わってみると、結構、物凄いスケールの話になっているのだけど突飛な印象とかを感じないのは、話の広げ方、畳み方が上手いからだと思う。これがこう繋がって、今度は……となっているうちに気付いたら、という感じなのだ。しかも、読後感も凄く良いし。
ちょっと変わった作品だけど、面白かった。

No.3963

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