(書評)下ネタという概念が存在しない退屈な世界11

著者:赤城大空



SOXと藻女との間で繰り広げられた戦いから2年。世界に誇る「綺麗な国」として発展を遂げる日本。しかし、性的概念を徹底的に取り払ったここでは、子供が全く生まれなくなっていた。そのような中、2代目「雪原の青」となった狸吉は、着実に支持者を拡大させていっていた。そして、最後の下ネタテロ「HなABC作戦」の実行を狙っていた……
シリーズ完結編。なんか、凄く綺麗に終わったな、という感じ。
物語の中心となる狸吉、綾女、そして、アンナ。当初は、学生という立場であった彼らは、既に学校を退学し、(アンナはともかく)完全なプロのテロリストとなった狸吉たち。しかし、表立っての活動ではなく、あくまでも水面下で支援者を増やすという地味な活動を続ける。ただし、その中で、アンナだけはその「嗅覚」で迫ってくるのでギリギリの攻防がある、という状況。
とにかく、主人公達がいいのは、自分たちは決して正しい存在ではない。でも、政府やら、藻女らも間違っている。その線の中で話が進むのが良いところだと思う。そして、そこに最終巻なのに新キャラであり、元は政府側のアイドルであった剥栗らら子(よく考えると、この名前もすごいが)を入れることで、どの主張も正しいとは言えない。でも、どれが一番、マシなのか? と考えさせるような形にしているのもバランス感覚ゆえなのだろう。……途中から露出壁に目覚めたけど(笑)
ある意味、SOXと藻女の対決の着地点は、前巻の段階である程度、見えていたわけだけど……そこまでの積み残し。即ち、アンナ先輩とのやりとりの決着。アンナとソフィア母娘の話。そういうところをしっかりと回収して、本当に綺麗にまとまっている。意外性はそれほどないかも知れないけど、これはこれで良い。
地の文とかは相変わらずなのだけど……なんで、こんなに爽やかな印象の読後感なのだろう。狸吉と綾女の再会シーンとか、綾女、男性器の気ぐるみから顔を「くぱぁ」している状態ですぜ? 股間につけるPMから身を守る方法が、分厚いゴム、ですぜ? そんな相変わらずの状況なのに……(悔)
ともかく、シリーズ完結、お疲れ様でした。

No.3967

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