(書評)ドリームダスト・モンスターズ 白い河、夜の船

著者:櫛木理宇



他人の夢に潜る能力、「夢見」を持つ少年・壱。そして、そんな彼が夢中になっている少女・晶水も、彼に救われた一人。そんな二人が、夢を頼りに依頼人の謎を解く連作短編集、第2弾。
全4編を収録。
なんというか……前作と比べると、大分、変則的な話を挟んできたな、という印象。
例えば、1編目。授業中、ウトウトすると奇妙な夢を見る晶水。その中では、ある女性の姿、そして、犯罪が起きる状況が出てくるのだが……(『モザイクかけら破片』)
変な夢を見て、その理由を……。そのあたりでは、1巻に近い部分もあるのだが、いかんせん「誰の夢」なのかが不明。そして、見つけ出した有力候補も……。真相までいくと、変則的と感じるはず。
2編目、『水に朱いろ』は、夢の中で見る女性が気になり、そして、現実の水を見ても、その女性が見え始めた、そして、その女性に惹かれるようになった、という青年が依頼人となる話。相談の後、青年は、その夢で見る女性と瓜二つの女性を出会うのだが……
もう、これは、完全に狂気の世界。女性の正体が誰なのか? とか、そういうことが関係なく、ただ、夢を見た依頼人。そして、その依頼人の行く先、という部分だけに焦点が絞られての物語。壱たちの行為は……。その点で考えると、かなり後味の後味の悪い話といえそう。
少女が失踪し、その捜索が始まる中、そのような事件の夢を見る、という後輩の相談を受けた晶水、という4編目の表題作。
話の流れとすれば、おそらく、これが最もオーソドックスな話といえると思う。後輩が、過去の出来事故に封印していた過去。それが、同じような事件で表面化。その中での葛藤。
犯人が誰で、とか、その辺はおざなりだけど、夢というのは、見る人間の潜在的な記憶やら何やらを凝縮した結果、という部分には素直に納得した。
しかし……壱と晶水の関係などがほぼ変わらないのは、流石、『ホーンテッド・キャンパス』の作者だな、と思うのは、どーしたものだろう……

No.3980

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村


http://nijiirosekai.blog55.fc2.com/blog-entry-4871.html
スポンサーサイト

COMMENT 0

TRACKBACK 1

この記事へのトラックバック
  •  ドリームダスト・モンスターズ 白い河、夜の船
  • ドリームダスト・モンスターズ 白い河、夜の船 ≪あらすじ≫ 他人の夢に潜る「夢見」能力をもつ高校生の壱。事故で母親を失い、悪夢に悩まされていた同級生の晶水も彼に助けられた一人。壱の祖母・千代が営む“ゆめみ屋”を、今日も夢に悩むお客が訪れる。夢の中で見知らぬ女性に恋する大学生、人を殺すよう命じられる高校生、犯罪現場を目撃する少女…。壱と晶水は、厄介な夢を解けるのか。青春ミス...
  • 2016.04.03 (Sun) 23:09 | 刹那的虹色世界