(書評)デス・サイン 死神のいる教室

著者:深津十一



新しく赴任した学校で、中学3年の担任となった舟橋。彼が担当することとなったクラスには、五十嵐と言う一人の不登校児がいた。教師も生徒も、彼については口をつぐみ、家庭訪問に行っても口すら利いてもらえない。そんなとき、彼のクラスに転校してきた少女・桜木乙女が、彼を説得し、五十嵐は登校するようになるのだが……
まず、読んでいて思ったのが凄くリーダビリティが高い、ということ。330頁あまりあるのに、1時間も掛からずに読了できるとは思わなかった。ついでに言うと、舞台となる街、治安、悪すぎるだろ!!(笑)
で、まぁ……裏表紙のあらすじでネタバレしているのだけど、五十嵐は、3日以内に死ぬ人間がわかる、という能力を持っている。そして、それ故に、周囲の人々から「死神」と呼ばれて嫌われている。そして、五十嵐自身も、自分を嫌う担任に死相が見えたとき、「死ねば良い」といい、本当にその直後に死んだことを悔いている……。そんなときに現れたのが舟橋……
なんというか、主人公の舟橋が凄く良い奴だな、というのがまず思うこと。
「死相が見える」という五十嵐の能力については半信半疑。しかし、だからと言って真っ向から否定するわけではない。しかも、ある生徒の母親に死相が見えた、と言う言葉を前にその母親がどうなのかを確認に奔走する。しかし……。勿論、それでも100%。確信が持てたわけではない。しかし、更なる五十嵐の言葉に、今度こそは、と奔走する。
なんか、そんな舟橋がだからこそ、五十嵐が信頼をする、というのはわかるし、でも……という気持ちが残るのもわかる。そして、そんな五十嵐の心に秘めていた決意は……。
ある意味、話自体は、比較的、こじんまりとまとまった感はある。さらにいえば、舟橋の奮闘はある意味、空回りであり何も出来なかった、という形になる。でも、そのような中で、確かに五十嵐は舟橋を信頼し、最後のメッセージを託した……。謎解きというよりも、舟橋と五十嵐の交流を描いた作品、というように感じられた。

No.3982

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  • デス・サイン 死神のいる教室 著:深津 十一 発行元(出版): 宝島社 ≪あらすじ≫ あいつは死神だ―。不登校の生徒・五十嵐拓也は、三日以内に死ぬ人間がわかってしまう不思議な力を持っていた。新しく赴任してきた教師の舟橋と転校生の桜木乙女が、五十嵐をふたたび学校に呼び戻したとき、彼らの周りに「死」があふれ始める!五十嵐の依頼により、舟橋は一人の少女を死の運命から...
  • 2016.04.05 (Tue) 22:59 | 刹那的虹色世界