(書評)謎好き乙女と偽りの恋心

著者:瀬川コウ



「私、生徒会長、辞めるね」 あまりに唐突の宣言に、皆が言葉を失った。生徒会長、早伊原葉月。早伊原樹里の姉は、なぜ、突然の辞任を言い出したのか? 夏祭、肝試し、恋愛相談の投書……そこでの出来音を春一は思い出す……
ということで、シリーズ第3作。正直、前巻がイマイチな印象だったのでどうかと思ったけど、この巻は巻き返した印象。
冒頭に、生徒会長がなぜ辞任したのか? そんな全体を貫く謎はあるのだけど、形とすれば連作短編集、というもの。
1編目は、夏祭。目玉のはずの花火大会が中止になったとき、当たり無しのくじ屋。その店主は「花火大会が中止になったから、儲かる」という。目玉なのに?……祭り会場の特色。状況。そして、目の前で起きたこと。そこから導き出されるのは……
樹里が出した結論に穴があるのは確か。でも、春一がひそかにやっていたのも……ちょっと無理があるかな? 少なくとも、損失の回復すら大変になるはず……
2編目は謎……ではあるんだけど、ある意味、最初から答えが見えるもの。それをどうやって見せるのか? まぁ……真相は言えないよね、と。
そして、3編目、恋愛相談の投書が次々に来るようになった。しかし、それを投函したのが誰なのかは不明。それを捜すよう春一は求められるが……。この辺りから、物語がつながり始めるように。生徒会の中での人間関係。生徒会長の性格。そして……
正直、同じようなトリックが前巻でもあったような気がするのだけど、前巻と比べて単独でもしっかりと出来ていること。そして、その中での違和感が……なので、まず、話として読みやすかった。そして、この巻のラスト……
恋人同士っていうことにしていながら、普段は互いに憎まれ口を叩き合っている春一と樹里。でも、明らかにその関係に変化の兆しが……。シリーズが進んでも、殆ど進まない関係性のまま……っていうのも多い中、これだけ動いているって言うのは、私は好印象、かな?

No.3983

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