(書評)異世界家族漂流記 不思議の島のエルザ

著者:松智洋



大学受験に失敗し、家族での旅行が残念旅行になってしまった真城蓮。現地の、「願いがかなう」という岬で、来年こそは、と祈りを捧げることにしたのだが、そこで開いたのはなんと異世界への扉! 突然の環境に戸惑う蓮たち一家を助けたのは、ボロボロの鎧を纏った美少女。地球の生態系とはかけ離れた生物、そして、魔法……。そんな世界で、言葉も通じないエルザとのサバイバル生活が始まる……
地球の生態系とはかけ離れている、って……普通の木々すら、実を取ろうとすると攻撃してきたり、逃げ出したりって……ドラクエとかみたいなRPGのダンジョンよりも遥かに厳しい生活環境のような……。ただ、そこまでシビアなサバイバル描写になるのが著者らしさ、なのかな? と。
とりあえず、漂流した真城家の面々。物凄くごついけど、医者の父。その父といつまでもラブラブな料理の腕はピカイチな母。そして、浪人生の蓮と、万能系の妹・理彩と小学校に間もなく入学する妹・蕾。そんな面々が、先に書いたような島へ流れ着き、サバイバル生活をする。
結構、前後半の展開が異なる感じ。前半は、食料なども事欠き、さらにトイレとかそういう問題に直面する。ある意味、サバイバル生活で一番の問題が横たわる。しかし、言葉は通じないながらも、エルザと打ち解けているような気はする。しかし、その中で、妹、両親も、エルザのように魔法を覚える中、(蕾を除き)自分だけつかえない状況に、蓮は浪人生という自分の境遇を重ね合わせて劣等感を重ねていく……。サバイバルならではの厳しさとその救い。しかし、劣等感……このあたりのバランスは好き。
が、物語は後半になると、闖入者が現れる。それは、エルザと同じように魔法を使える貴族が流刑者として連れられてきた。そして、その中で翻訳の魔法によってエルザらとも意思疎通が取れるように。蓮と同じように劣等感を抱える流刑者たる貴族のフローラ。彼女と「友達」になろうとする蕾。だからこそ、島を離れようとしたときに明らかになる蓮の秘密……
うーん……
シリアスなような、シリアスでないような……。個人的には、前半のカラーが好きだっただけに、後半になり、ちょっとパワーダウンという感じ。まぁ、蕾とか、良い娘なのはわかるんだけど、そもそも、物語が急展開な上に、なんかよくわからないけど、凄い力を主人公が持っていました。そして、それが理由でハーレム方向に進みそうです……となっちゃうとなぁ……
『はてな☆イリュージョン』の方は追いかけるつもりだけど、こちらはいいかな?

No.3984

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