(書評)誰も僕を裁けない

著者:早坂吝



「援交探偵」こと、上木らいちの元に届いた1つの荷物。そこには、大企業の社長から「メイドとして雇いたい」という旨がつづられていた。都内にある奇妙な館へとやってきたらいちだが、そこで次々と殺人が起こってしまう。一方、埼玉県に住む高校生・公平は、資産家令嬢だという埼と出会う。ゴールデンウィーク、彼女の家に誘われた公平だったが、そのことが原因となり、逮捕されてしまい……
社会派エロミス! そんな紹介がされているけど、今回は、そこまでエロはなかったような……。らいちはむしろ相手にされなかったし……。むしろ、バカミス的な色合いが強くなり、でも、確かに社会派的な面も含んでいる。何とも不思議な感覚。
物語は基本的にらいち、公平の2人の視点で綴られる。物語の流れとしては冒頭に書いたとおり。
とにかく、らいちがやってきて、毎夜のように殺される館の面々。しかも、その死因は、絞殺、撲殺、刺殺……と毎回違う。そもそも、なぜ、毎日1人ずつ、なのか? 何かを隠している社長一家。そして……。まあ、正直、ネタバレになってしまうので、あまり内容についてかけないのが辛い。
とにかく、色々な要素がこれでも詰まっている、というのが読んでいると良くわかる。館モノとしての側面。仕掛けありき、という側面、そして、社会派とかかれるだけの側面。まぁ、社会派と言っても社会問題について、というよりもちょっとした薀蓄といった感じだけど。
ただ……一ついえることは、犯人の鉄壁のアリバイ。そのアリバイを作るための方法は、めっちゃくちゃにバカバカしくて大笑い、ということだろうか。もう、何と言うか……匂いとかをごまかすには……って、すっごく「くっだらねぇ!」(笑)
著者がデビューして本作が4作目。文章そのものは、非常にこなれてきた感じがするし、その上で、デビュー作に負けないくらいのインパクトもある。これまで読んできた著者の作品の中でもトップクラスに面白かった。……相変わらず、人を選ぶ作品なのは間違いないけどね。

No.3986

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